郡和子のコラム

2017年02月05日(日)

アベノミクスは富裕層と自民党の懐を豊かにしただけ

1月31日に発表された2016年平均の有効求人倍率は、前の年を0・16ポイント上回る1・36倍となり、1991年以来25年ぶりの高水準になった、と報じられ、安倍総理も胸を張りました。

総務省が同日発表した16年平均の完全失業率も前年より0・3ポイント低い3・1%となり、94年以来22年ぶりの低さだったということです。

それなのに、アベノミクスを否定するのか?と、問い合わせがありました。

有効求人倍率は、求人数の増加だけでなく、求職者の減少(つまり、人手不足の深刻化)によっても上昇します。

有効求人倍率が1・34倍だった24年前は、15〜64歳の生産年齢人口は約8600万人。

それが今年4月は7600万人で、約1000万人も減少しています。

私は、少子高齢化、人口減少が、景気の回復よりも、有効求人倍率や失業率の改善の多きな要因と考えます。

野村証券のチーフエコノミストの方も「生産年齢人口が減っていることが雇用指標を押し上げている」と指摘しています。

 

アベノミクスのこの4年を検証すると、次のようなことが判りました。

日経新聞が昨年11月に報じていますが、金融広報中央委員会が2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」で2人以上の世帯が保有する金融資産は、平均で1078万円と前年に比べ10、8%減り、04年以来12年ぶりの低水準。

最も注目したいのは、「金融資産を保有していない世帯」=貯蓄ゼロ世帯の割合で、427,4万世帯も増え、4年前の1、3倍になりました。

一方、富裕層の上位40人の金融資産は、1、9倍にも増えていました。

典型的な「貧困」と「格差拡大」の状況です。

 

そして、増加率の高い2番目が、自民党への企業・団体献金。

12年は16億1879万円でしたが、15年は27億2827万円と1、7倍にもなっていました。

 

確かに富裕層は恩恵があったようですし、資本金10億円以上の大企業も配当金を増やし、内部留保も積み上げました。

自民党も十分すぎる資金を得て、盤石な政治体制を築き、今の状況です。

 

内閣府が発表した「国民経済計算」によると、国民一人当たりの名目GDPは、この3年間で大幅に減少し続け、OECD35カ国で12年は11位、13年、14年は19位、15年20位と転落を続けています。

消費者物価指数もずっとマイナス。家計も決して潤っていません。

ふつうの人が豊かになる政策を進めるのが政治の役割です。

富裕層は貧困層より税が軽く、また大企業は中小零細企業より法人税が軽い、という不均衡を変えていく、そして、教育を含めた人への投資がGDPを押し上げているヨーロッパ・北欧型の経済政策を実現すべき時だということを、改めて記させていただきます。

民進党の経済政策は、ホームページからアクセスしてご覧いただきたいと思います。


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