郡和子のコラム

2005年08月01日(月)

障害者自立支援法案

先日、東京へ行ったときに、国会近くで、車椅子の方やストレッチャーに横になった方々が、夏の暑い日差しの中で、大きな声を振り絞っていました。

 そう、今国会で審議されている「障害者自立支援法案」への抗議行動です。
名前は「自立支援」だけれど、 しょうがいが重くなればなるほど負担が大きくなる「自立妨害」ともいえる法案です。

 私が後援会長をしている福祉法人には、重複で重いしょうがいのある皆さんが通っています。
地域の中で普通に生活できるような社会システムをと、これまで行政にもいろいろ働きかけをしてきました。
グループホームも開設して、親亡き後も暮らせるようにと、スタッフも毎日一生懸命働です。
24時間ケアが必要という人も少なくありません。 でも、そうした、しょうがい者であっても、親から自立して、普通に暮らしたいと願っている、それが人間のあたりまえの欲求なんだと思います。

 しょうがいが重くなればなるほど、働くのは難しく、授産施設と呼ばれるところで、わずかな収入を得ますが、何しろ、働き口がないのです。
収入はない。でも、トイレに行く、背中をかく、食事をする、寝る、起きるためにケアサービスが必要でそれをお願いすると、すべて1割の自己負担。
普通に生活するために健常者なら必要ないしょうがいゆえにどうしても必要な手段をお願いすると、自己負担なんです。
そして、払えなかったら、親が代わりに払ってください、というのが法案の骨子です。

 これでは、親がお金持ちでない限り、重いしょうがいを持ったら生きていくのを保障しない社会です、と、言っているのと同じです。

 国の財政が逼迫しているからといって、もっとも弱い立場の人たちからお金をむしりとる前に、するべきことがあるでしょ! 公金の無駄使いにメス!

そう思いませんか? 

 抗議行動に参加していた多くの皆さんが暑さで顔を真っ赤にしていた命がけの抗議、届くと良いのだけれど。 国会の先生方は自分が重いしょうがいを持ったら・・・とは、考えないのかしら?


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