郡和子のコラム

2005年08月17日（水）

人間の豊かさ

「人間開発指数」という言葉をご存知でしょうか。

国連開発計画（UNDP）が毎年発表している、 「人間の豊かさ」を示す指標です。UNDPの総裁が昨日の記者会見で、「9月7日に報告書を公表するが、 今年もノルウェーが人間開発指数の1位になる」と述べたと報道されました。5年連続トップということになります。（日本は昨年まで9位。）

　国連開発報告書は、同じ報告書の中でジェンダー・エンパワーメント指数（GEM）という数字も発表しています。 女性の政治や経済分野での進出状況を示す数字で、女性の政治家、上級官僚、経営者、技術者などの比率を元に計算します。 昨年、日本はなんと世界38位と「先進国」ではダントツの最下位でした。

　国会の下院（日本の場合は衆議院）議員のうち、女性の占める割合が98位（今年の1月1日現在。列国議会同盟調べ）では、 GEMが38位になるのも無理はありません。世界全体の女性議員の比率が15.7％、トップのルワンダが48.8％に対して、 日本はケニアと並ぶ7.1％だったのです。

　もちろん、女性であれば誰でもいいとか、女性議員の数が増えさせすればいいというのとは違います。 けれども、人口の半分が女性であることを考えれば、やはり10分の1以下と言うのは少な過ぎではないでしょうか。 女性議員の数が少ない原因を考えることを含め、女性の議員を増やすとりくみが必要です。

　人間開発指数も、GEMも9月7日発表の報告書のなかで発表されます。日本の順位は、何位になるでしょう。 もちろん、順位競争ではありません。

　「人間の豊かさ」、「女性の社会進出」の向上は、いずれも政治の重要な課題です。

※ 人間開発指数やGEMの国際比較は、
せんだい男女共同参画財団のHP（http://www.sendai-l.jp/index2.html）にも、分かりやすい表が掲載されています
（http://www.sendai-l.jp/chousa/pdf_file/5/5-4/5_4_91011.pdf）。