郡和子のコラム

2005年11月27日(日)

無責任の輪

あの姉歯設計事務所が関わった耐震強度偽造事件は連日大きなニュースとして報じられている。

残念ながら姉歯事務所に構造計画を発注した事務所の代表が自ら命を絶ったことがわかったが、姉歯設計士が取材に応じている様子からは、申し訳ないというような態度は伺えない。
腕のいい建築士として名を馳せていた。コストを削減する施工主からの命題に見事に応えていたのだろう。

施工主は?

いずれも、競争に打ち勝つためコストを絞り工期を短縮して事業を拡大、その要請に応える姉歯事務所は救世主だったのか。しかし、長年の経験から基準法を満たしていないと工事に従事した人たちは気づかなかったろうか。
代償は大きい。

構造計画書を元に建築確認をした検査機関は?

偽造は巧妙だったとして過失はないと主張。

行政も、「民に出来ることは民に」のスローガンで、民間に法令に即した審査を任せていた。
指導を徹底する、告発もする、という。
民間に任せていないところでは行政の検査もずさんだったことが判明。
民におろした事だけが問題ともいえない。そもそも検査資格を持つ建築士の数が少ない。

関係する業者から献金を受けていた政治家の名前も出てきている。 
加えて、自民党の武部元幹事長の発言はなんということだろう、被害者の立場を分かっていない。

無責任の輪が大きく広がって、被害者は外に置かれている。
民主党として対応をきっちりさせよう。国の責任をはっきりさせよう。

ところで、姉歯氏が宮城県の出身だったと知って、加えて、ヒューザーの小嶋社長も同郷だと知って、複雑な思いだ。


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