郡和子のコラム

2006年01月23日(月)

ホリエモン逮捕のタイミング

テレビの取材カメラが並んでいる。

「あ、ここが、六本木ヒルズですか。」
夜、車で、六本木ヒルズ前を通る。

ライブドアの堀江社長が逮捕され、取材陣が走っていた。

「日本で『ライブドアの商法』が生まれてくるような株主重視主義経営を推進する改革派の制度改築に対抗しないで、従業員重視の日本的経営の伝統を守ろうとしなかったことが、問題だった。」

イギリスの日本研究の第一人者、ロナルド・ドーア氏の前述のような論文が新聞に掲載されていた。

エンロン型の事業拡大・不当利益獲得のための粉飾決算よりも、倒産寸前で従業員を守ろうとした山一證券の日本型粉飾決算がまだましだとも、氏は言っている。

これまで、小泉総理大臣・竹中大臣・武部幹事長らがもてはやしていたものはなんだったのか、今一度、考えなくてはならない。

以前、「プロ野球の新規参入を仙台で」、と発表したときには、楽天の三木谷社長との戦いに、個人的には堀江社長を応援したいと思ったのを思い出す。
何しろ、いち早く、地元、仙台に、ずーっと待っていたプロ野球球団を作ってくれると、表明してくれたのだから。

ネクタイをせず表に出て行動する堀江氏を、新しいタイプの指導者と思ったし、
言動も夢を抱かせるものがあったと思う。
加えて、大好きなサッカーチーム、ベガルタ仙台にも参入して資金を投入してくれそうな気配だった。
そうしてくれれば良いのに、と、本心思ったものだ。

しかし、買収を繰り返し、その拝金主義が前面に出でてくると、それはいかがなものか、とも、思ったものである。

額に汗し働く従業員、信頼して応援する安定的な株主、この関係を重視せず、目に見えないもので会社の時価総額を増やすことが、本当に国際的に評価の高い企業なのだろうか。

そして、今日だ。

粉飾決算と風説の流布、株主至上主義でありながら、株主を欺いていたことになる。

小泉総理大臣は、規制緩和を進めたこととこの事件は関係がない、と、断言した。
法を守らなかったことが悪いのである、と。
頑張る人を増やすためにも更なる規制緩和は必要、と。

小泉総理の「頑張る」とは、どういうことをさしているのだろう。

それにしても、なぜ、逮捕が、今日、だったのか。
しかも、夜、だったのか。

1、23
逮捕のタイミングのヒントはあるか?
考えている。


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