郡和子のコラム

2006年04月13日(木)

愛国心

教育基本法の改正問題で、「愛国心」について、与党の合意が出来たという。
「伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできたわが国と郷土を愛すると共に、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」

今国会への提案へ向け動き出すのだろうか。

教育基本法は1947年施行以来、改正されていない。

今朝のテレビで、みのもんた氏が、「愛国心、いい言葉じゃないですか」と話していた。「国会議員は言葉狩りをやめなさい。」と。
このことに対し、残念ながら、誰もコメントしなかったが、99年に成立した「国旗・国歌法」でも、当時の小渕総理が「児童生徒の心の中まで立ち入らない、強制はしない」と答弁したのだが、卒業式では事実上強制されてしまっている。そのことが評価の対象にもなっている。

教育基本法だけでない。様々な面から、今、太平洋戦争以前の体制へ移行準備が進んでいるかのような、法改正が行われようとしていることに、私は大きな危惧と不安をもっているのだ。

東京では、この春、教師が転勤先も決まっていたのに突然分限免職処分にされた。過去の侵略戦争の歴史・太平洋戦争の授業(ごく当たり前の内容だが)をして、目をつけられている。

教育基本法の「愛国心」のお墨付きを得られれば、こうした教師はすべて排除されることになるだろう。

正しい歴史教育をどう行い、反省しながら協調を考える、国際平和を考える、そのことが担保されなければ、「今の民主主義の時代、危険なんてない」、というのは、あまりに、ボケた発言だ。

まだまだ私自身言葉が足りないかもしれない。

でも、やはり、教育と子どもをめぐる様々な問題は、愛国心を推進すること、とは、別問題だ。そう考えている。


2006年04月09日(日)

医療現場でも格差社会

昨日に続き医療の問題で書かせていただきます。

朝日新聞の今日の一面に、都道府県と政令市が運営する全国248の病院で治療代の未収が平均3300万円、3年で1,5倍に、という記事が掲載されました。

国民皆保険(すべての人が所得に見合った金額で国民健康保険に加入でき、医療サービスを受けることが出来る)、診療報酬点数制度(点数化された治療で迅速に標準治療をする)、フリーアクセス(患者が病院や医師を自由に選ぶことが出来る)という制度は、世界でも類を見ない優れた制度として世界も認めるところです。

しかしながら、報道にもあるように、治療費が払えない、保険料が払えない、という、貧困層が、この国に多くなっている。厳しく取り立てても、回収できない層が生まれている。一方で、お金持ちは、より良い医療を求めて国内はもとより海外にも出かけていって治療を受ける。こうした現象が起こっているという事実は、すでに、日本の誇れる医療制度が根底から崩れかけているということです。

政府は、今回の医療制度改革で、医療費の抑制に主点を置き、患者の医療費の負担増も打ち出しています。さらに、混合診療解禁に向けレールを敷こうとしています。お金持ちのためだけの医療になってしまう、これらの制度改革には、断固、反対との声を大きくしなければなりません。

今回の制度改革では、日本の誇れる良質な3つの柱、皆保険、診療報酬点数制、フリーアクセスをいかに守り抜くか、いかにそれを実効性のあるものにするか、ということだと思っています。

命の値段を削るのですか?
病気にかかった国民の命をどう守っていくのですか?

今週から始まる医療制度の本格審議に全力で立ち向かっていこうと考えています。


2006年04月08日(土)

宮城県がんセンター麻酔科医の引き上げ問題で

今日の河北新報に宮城県がんセンターから、麻酔科医が全員6月に退職、補充のめどがない、という記事が掲載されました。

麻酔科医不足は全国でも大きな問題になっていますが、宮城がんセンターで手術を待つ患者さんが手術できない状況になる、病院として機能しなくなる、ということです。

患者不在の医療現場、そういわざるを得ないでしょう。

先日東北大学医学部麻酔科の加藤教授に話を伺ったばかりですが、新聞報道によると、「大学医局の指示」だそうで、そのようなお話はなさっていませんでしたから、大変驚きました。

確かに2004年に多くの麻酔科医が東北大の医局を退職し、うち、お一人の医師がフリーで複数の病院と契約を結び、手術の麻酔を行っているということでした。しかし、これも、チームで医療をやっていこうというときに、この傾向に拍車がかかることは、考え物だと感じています。

早急に麻酔科医を増やせるかといえば、麻酔科だけでなく、産科にしろ小児科にしろ、そうですが、医師を育てるには時間がかかるのは当たり前で、すぐさま増やすことはできません。ならば、どういった方法があるのか、今回の医療制度改革についての審議の中でも重要な論点で、私自身は、当面、強制力を持った医師の配置計画が必要ではないか、と、考えています。

政府の言う集約化だけで解決できる状況ではないと、捕らえているからです。

知恵を絞って、この緊急事態を乗り切らなければ、日本の医療はがたがたです。この件については、もう少し関係の皆さんから話を伺い、また、私の考えを書き込みたいと表います。取り急ぎ、今日はここまで。


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