郡和子のコラム

2006年04月08日(土)

宮城県がんセンター麻酔科医の引き上げ問題で

今日の河北新報に宮城県がんセンターから、麻酔科医が全員6月に退職、補充のめどがない、という記事が掲載されました。

麻酔科医不足は全国でも大きな問題になっていますが、宮城がんセンターで手術を待つ患者さんが手術できない状況になる、病院として機能しなくなる、ということです。

患者不在の医療現場、そういわざるを得ないでしょう。

先日東北大学医学部麻酔科の加藤教授に話を伺ったばかりですが、新聞報道によると、「大学医局の指示」だそうで、そのようなお話はなさっていませんでしたから、大変驚きました。

確かに2004年に多くの麻酔科医が東北大の医局を退職し、うち、お一人の医師がフリーで複数の病院と契約を結び、手術の麻酔を行っているということでした。しかし、これも、チームで医療をやっていこうというときに、この傾向に拍車がかかることは、考え物だと感じています。

早急に麻酔科医を増やせるかといえば、麻酔科だけでなく、産科にしろ小児科にしろ、そうですが、医師を育てるには時間がかかるのは当たり前で、すぐさま増やすことはできません。ならば、どういった方法があるのか、今回の医療制度改革についての審議の中でも重要な論点で、私自身は、当面、強制力を持った医師の配置計画が必要ではないか、と、考えています。

政府の言う集約化だけで解決できる状況ではないと、捕らえているからです。

知恵を絞って、この緊急事態を乗り切らなければ、日本の医療はがたがたです。この件については、もう少し関係の皆さんから話を伺い、また、私の考えを書き込みたいと表います。取り急ぎ、今日はここまで。


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