郡和子のコラム

2006年04月09日(日)

医療現場でも格差社会

昨日に続き医療の問題で書かせていただきます。

朝日新聞の今日の一面に、都道府県と政令市が運営する全国248の病院で治療代の未収が平均3300万円、3年で1,5倍に、という記事が掲載されました。

国民皆保険(すべての人が所得に見合った金額で国民健康保険に加入でき、医療サービスを受けることが出来る)、診療報酬点数制度(点数化された治療で迅速に標準治療をする)、フリーアクセス(患者が病院や医師を自由に選ぶことが出来る)という制度は、世界でも類を見ない優れた制度として世界も認めるところです。

しかしながら、報道にもあるように、治療費が払えない、保険料が払えない、という、貧困層が、この国に多くなっている。厳しく取り立てても、回収できない層が生まれている。一方で、お金持ちは、より良い医療を求めて国内はもとより海外にも出かけていって治療を受ける。こうした現象が起こっているという事実は、すでに、日本の誇れる医療制度が根底から崩れかけているということです。

政府は、今回の医療制度改革で、医療費の抑制に主点を置き、患者の医療費の負担増も打ち出しています。さらに、混合診療解禁に向けレールを敷こうとしています。お金持ちのためだけの医療になってしまう、これらの制度改革には、断固、反対との声を大きくしなければなりません。

今回の制度改革では、日本の誇れる良質な3つの柱、皆保険、診療報酬点数制、フリーアクセスをいかに守り抜くか、いかにそれを実効性のあるものにするか、ということだと思っています。

命の値段を削るのですか?
病気にかかった国民の命をどう守っていくのですか?

今週から始まる医療制度の本格審議に全力で立ち向かっていこうと考えています。


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