郡和子のコラム

2006年05月03日(水)

憲法記念日に

改憲論が渦巻く中、施行から今日で満59年を迎えた日本国憲法。

しかし、朝日新聞の世論調査では、9条1項2項、「どちらも変えぬ」が48%だったと伝えている。
改憲に熱心なのは、政治家たちばかりか、とも、思ってしまう。

同じ朝日の文化面には憲法学者の田村理氏の『キムタクの「目」と憲法』という論文が掲載されている。
テレビドラマHEROを例にあげ、キムタク扮する久利生検事の強い怒りの目を紹介して、公権力の不正を絶対に許さぬ「目」をもとうと論じているのだ。

公権力の乱用を防ぎ、国民の人権を守る、その手段として憲法を定めるというのが、立憲主義である。
今、盛んに論じられる中には、その立憲主義とは逆に、公権力が国民を縛るために憲法改正を行おうとしているのではないかと疑いの目を向けたくなる、まるで、その根本を揺るがすのではないかという恐れもあることを、皆さんに感じ取ってほしいと思うのだ。

小泉さんが自衛隊は実質軍隊だと歴代総理としてはじめて認め、9条改正を訴えたのは2003年のこと。

以来、まるで様々な周辺準備を着々と進めるように、いくつかの法律を改正し、今また、「組織犯罪防止法」、「教育基本法」の改正、そして、96条の憲法改正手続きの「国民投票法」について準備をしている。しかも、残りわずかとなった今国会で成立させようというのだ。
何しろ、9条改正を訴えた小泉総理の任期中に。

私の9条に対する考え方は前にも書いた。

憲法は、言うまでもない、私たち国民のものだ。
国民が公権力を監視し権力の乱用を防止するためのものだ。

これも前にも述べたかもしれないが、私自身は、「国民」という言葉から除外されているこの国の何代にもわたる定住者がいること、また、第8章の「地方自治」に対する条文の強化は必要なことと思うが、改憲でしか解決できないわけではない、これもまた、別の道があるのだと思っている。


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