郡和子のコラム

2006年06月20日(火)

IWC決議

「ベーコン」といえば、「くじら」だった。
私の子供のころ、くじらは食卓によく上る食材だった。竜田揚げや甘く煮付けたのや、カリカリのベーコンも、くじらだった。
しかし、商業捕鯨が禁じられて、捕鯨基地だった宮城県の鮎川も活気を失い、今は調査捕鯨でとったくじらを、特別のときにみんなで少しずつ楽しみに味わう、のみ、だったし、鮎川には郷土料理としてのくじらの食し方がいろいろあったのだけれど、その継承も難しい、のが、現状だった。

カリブ海の島国セントクリストファー・ネビスで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)の総会で、1982年に決定した商業捕鯨禁止はもはや必要ないとの決議が、わずか1票差ながら採択された。

これまで地元は強く商業捕鯨再開に向け活動を続けたが、なかなか反捕鯨国の優勢は揺るがなかった。
しかし、くじらが増えたことによって、鰯や秋刀魚といった小さな魚が極端に減っていることも事実。
数年前に、当時担当したテレビの番組で、鮎川の今と捕鯨について特集ドキュメントを放送したことがあるが、当時から小魚がくじらの餌になって海の資源が不均衡になっているとの調査結果があったのだが、様々なデータを示しても国際的には日本の主張は認められることはなかった。

「商業捕鯨支持」が採択されたのは、地元にとっても大きな喜びだろう。
実際の再開にはまだまだ理解国が増えることが必要だが、古くからの日本の食文化を繋いでいくことに明かりが見えてきたことに、私自身、嬉しく思う。


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