郡和子のコラム
2006年08月24日(木)
FOP進行性化骨性筋炎
「FOP」をご存知だろうか?
「進行性化骨性筋炎」と呼ばれる、筋肉や関節など徐々に骨化していく、大変珍しい難病だ。
松島町の武田しょうや君(10歳)が、この病気を患っている。
今日、お父さんと支援する会の方と会ってお話を聞かせていただいた。
全世界で200万人にひとりといわれるほど症例が少なく、もちろん治療法も確立していない。
症状が進めば、体全体が動かなくなってしまう。
今年4月21日、アメリカで骨の増殖の原因となるたんぱく質を製造する破壊された遺伝子、つまりFOP遺伝子が発見された。しかし、病気そのものの研究は進んでいない。
2歳のときに首と肩の付け根のところにこぶのようなものが出来ているのに気づき、それが、体を這うように移動するのを見て驚き、病院を転々としたという。長い間、病名も分からずに、そして治療も出来ずいた。それが、今年、同じ病気の患者が日本にいることが分かり、連携しながら、病気への理解と研究を進めるために国の難病指定を受けたいと活動を始めたのだ。
しょうや君のご両親は、体が動けるうちにと、大好きなサッカーを楽しませたりしている。
動けなくなるのを何もせず待つのはしょうや君のためにならないと判断したそうで、ボールを追いかけるしょうや君の姿は実に嬉しそうだ。
背中にこぶがいくつも出来、温泉やプールで、恐竜のようだ、などど、子どもたちから言われても、「僕、恐竜好きだから恐竜になるんだ」と、明るく受け流しているという話を聞き、胸が熱くなった。
今、難病に指定されているのは、121の疾患。
未だ難病指定を受けていない疾患も多い。
宮城県内を中心に、今支援の輪が広がっている。10万人の署名を集めて、国会に請願したいということだった。力になりたい、と、思っている。
2006年08月15日(火)
小泉総理の終戦記念日の靖国参拝
やはり、だった。
61回目の終戦記念日に、小泉総理は靖国へ行った。
朝の靖国神社からの中継と、その後の小泉総理の会見を見て感じたことを書かずにいられない。
任期終盤、(彼にとってはようやく)公約どおり参拝を行ったわけだが…。
靖国神社には、軍隊・軍属の戦没者しか祀られていない。
しかも、あの戦争は、侵略戦争ではなく自衛のための戦争だったというのが靖国神社の歴史観だ。
だからA級戦犯も英霊として祀られている。
反対する国々や人々のその数々の理由に対し、総理は会見で反論したわけだが、ちょうど一年前、戦後60年の節目に発表した談話は、「植民地支配と侵略によりアジアの人々に多大な損害と苦痛を与えたことに、痛切な反省とお詫びを表明する」であり、A級戦犯については「戦争犯罪人である」と明言したはずだ。総理の歴史観もそうであると考えるべきだし、その通りのはずだが。
なのに…、である。
外圧に屈するほうがおかしい、と、自らを正当化させ、矛盾があると指摘しても、小泉総理は、そんなことはないという。信教の自由だ、とも。
どうしたらそういう思考回路になるのか…。
平和のために参拝していると言うが、それでは、中国、他アジアの多くの国々で日本軍によって奪われた命に、あるいは、また、空襲等で亡くなった多くの一般国民に対しては、どう平和を誓うのか。
あまりにも歴史を無視した言動であると思う。
以前、ドイツがどのように周辺国と友好関係を築いたか、その取り組みに学ぶべきと思うと書いたが、改めて、強くそう思う。
61回目の終戦の日、戦火が亡くなることを、私は、すべての戦没者に誓いたい。
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