郡和子のコラム
2007年01月28日(日)
「女性は産む機械、装置」発言
人を機械にたとえるなんてなんという発言だろう。
女性を「子産みの装置、機械」とは…。
27日の柳沢厚生労働大臣の発言は、この国の目指す「美しさ」がよーく透けて見える。
ほんと、これで納得もいく、というものだ。
今進められている政策が、一部の人だけが尊重され、多くの人間が、人としての尊厳を認められず、切り捨てられていく、という現政権の政治の本質を現していることを。
今日、しょうがいを持った皆さんが事務所に来て「私たちが生きることを認めないのか」と、しょうがい者自立支援法で地域で当たり前に生きる権利を次々奪われている実情を訴えられたのだが、これも全く共通している。
昨年の165国会で、しょうがいしゃの自立とは?と、柳沢大臣に尋ねたところ、「身の回りのことが出来るようになり訓練によって仕事に就けるようにすることが、自立だ」と言う旨の答弁があった。これについて、私は大変残念な狭い見識であると反論を展開させていただいた。しょうがいにもいろいろあり、どんなに重い、たとえ仕事に付くことが出来ないしょうがいがあったとしても、その人が人として尊厳を持って生きることが自立であり、それを支えるのがこの国の福祉のあり方だと。なのに、そういう人々は、この美しい国には必要ないといわんばかりの発言と政策。
多くの人間が機械にされ、人としての尊厳を奪われ、国家の奴隷にされ…、なんという美しい国!
女性は子供を産む機械、ならば、産めない女性は不良品だとでも言うのだろうか。
そして、かつても同様の発言が高名な政治家から飛び出し見識を疑ったが、またしても同じだ。同じ論法でいけば、閉経した女性は廃棄処分の機械、不用品とでも言うのだろうか。
自分の妻や、娘や、孫たち、いや、母親も、機械だったのだろうか。
美しい国を構成するのは、彼らの思い通りに動く精巧な機械たちで、それ以外は、産廃処分場に送られていくのだろう。
なんという美しい国か!
断固、抗議する!
2007年01月08日(月)
「玉砕」の島を訪ね「玉砕」という言葉を考えた
政府の教育基本法改正案が可決成立してしまい、年明けの会見で、憲法の改正が参院選の争点と、安倍総理が述べた。
そして、明日、防衛庁は防衛省へと変わる…。
日記にもアップしたが、年末年始、玉砕の島を訪ねた。
仙台から夜チャーター便が出るというので、「サイパン」へ。
政治が憲法改正へ動こうとしている時に、もう一度、あの戦争の爪あとを確認しておきたい思いだった。
10年ほど前にも行ったが、今回は、激戦地北部のバンザイクリフ、スーサイドクリフ、ラストコマンドだけでなく、旧日本軍が当初米軍の上陸を想定した南部にも足を伸ばし、3年ほど前にジャングルの中に埋もれていたものを整備したという、旧日本軍の弾薬庫やトーチカ、民間によって作られた慰霊の施設なども観て回った。
改めて書く必要もないかもしれないが、
1944年6月15日、日本の統治領だったサイパン島に米軍が上陸。
島全体が住民を巻き込む戦場となり、陸海軍の約4万7000人のほとんどが戦死した。
中部太平洋方面艦隊司令長官の南雲忠一中将は7月6日自決。
翌7日、北部に追い詰められてサイパン島は玉砕。
そして、東条内閣が総辞職。
サイパンの陥落で、本土がB29の爆撃圏に入ることになり、空襲が激化していく。
テニアン島も陥落、そして、あの原爆を搭載したB29が、日本へ向かった。
日本の統治下にあったサイパンには、約2万人の民間人も在留していたという。その内約1万人が犠牲となったといわれるが、兵士も民間人の犠牲者も正式な数は分かっていない。
このサイパンの玉砕は、その後、民間人を巻き込んだ「玉砕」の「お手本」になっていったのだった。
サイパンをはじめマリアナ諸島は日本の「絶対国防圏」として1943年から防備が強化され、中国大陸にいた部隊などが急遽つぎつぎ派遣されたのだが、この地に渡り命を落としたことを知らない遺族や戦友もいると聞かされた。
案内されたオブシャンビーチのトーチカ周辺では、最近も遺骨が見つかり今後発掘調査が行われる運びだと、65歳になる日本人のガイドが教えてくれた。
「降伏は恥、潔く死を選ぶ」との教育を受けていた日本人の多くは自決を選び、
鬼畜米英につかまるよりはと、民間人も、家族で殺し合い、子供を抱いて「ばんざい」と叫び崖から飛び降りるという悲劇がこの島で起きたのだ。
「玉砕」
玉のように清く気高く砕ける、とは、誰が作った言葉だったのだろう。
そして、「玉砕」をその後も大本営は何度も使用し、褒め称える…。
もう誰にも死ぬことを拒むことは出来なくなった。
無駄に多くの人々を死なせたのは、当時の教育と、そして大本営と軍政府の体制だった。
「玉砕」という飾り付けられた言葉に改めて怒りと悲しさがこみ上げた。
愛国心をもって国のために働ける人間を育てるのが新しい教育の基本理念になる。
そして、軍が強化され、今マスコミは政府に対する批判精神が欠如(いや、つぶされているのかもしれないが)し、更に、憲法改正で「美しい国づくり」とは…。
美しい言葉に飾りつける胡散臭さ、今のこの時代だからこそ、私たちは、しっかりと覚醒して、真実を見極めなくてはならないと思う。
日本刑務所跡に残されたアメリカ軍上陸のサイン JUNE 15/44 とある。
サイパン国際空港近くの旧日本軍弾薬庫跡
バンザイクリフに建つ慰霊塔 多くの観光客も訪れていた
旧日本軍の戦車
野戦重砲兵黒木連隊らの慰霊碑 中国から急遽渡った兵士の名もある
2007年01月03日(水)
「やさしい社会つくります」2007年新年のご挨拶
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
穏やかに2007年が幕を開けました。どのようにお正月を過ごされたでしょうか。昨年中は大きなご支援を賜り、私も元気に国会での活動を進めることが出来ました。本当にありがとうございます。
さて、いざなぎ景気を超える好況と言われていますが、私たちの実感とはかけ離れたものでしかありません。働いても働いても所得は増えず、それどころか、増税と社会保険料の負担増で生活は厳しくなる一方です。都市部と地方の格差はますます大きくなり、雇用の格差、所得の格差、そしてそれらが教育の格差に繋がり、健康についてさえ格差が生じてしまいました。将来への展望が開けない社会だと、多くの皆さんから不安の声が寄せられています。
生活保護世帯が昨年8月時点で107万世帯を超ました。国民健康保険料を払えず「無保険者」となっている世帯も30万世帯を超えています。国民皆保険と言いながら医療費を全額自己負担しなければならず、重篤になるまで病院に行けないでいる人々が推計で80万人。また、貯蓄なし世帯は2001年から急増、23%にも上りました。更に、仕事についていないいわゆるニートも35歳以上の層で増加しています。ニートの問題は、世帯収入が多く若年者を養育できてしまう比較的裕福な家庭で増えていると捕らえられがちですが、実際は低所得世帯で拡大しており、貧困から抜け出せない層がこの日本で生まれている看過できない問題となっています。
安倍内閣売り物の「再チャレンジ」はほんの小手先ばかりで、こういった人々に対する配慮は全くありません。
今求められる政治の大きな役目は、誰もが将来に希望を持ち安心して老いることの出来るそんな社会をつくることではないかと思います。
「やさしい社会つくります」
私のキャッチフレーズには、そんな思いがこめられています。
圧倒的な数に驕って暴挙を重ね弱者を切捨てていく今の政治のあり方は、この国にとっての最大の不幸と言わざるを得ません。拮抗する政治勢力を作ってこそ政治は良くなるのだと、そして、日本が良くなるのだと信じています。
統一地方選挙、参議院選挙という大きな政治決戦に全力で取り組み、皆さまのご期待に応えられるよう努力を重ねる所存です。さらなるご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。
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