郡和子のコラム
2007年02月21日(水)
「かな」と「たまたま」で法案が作られたらたまらない
今日の厚生労働委員会での柳沢大臣の発言に「たまたま」じゃない「またまた」驚いた。
安倍内閣の目玉「再チャレンジ支援」のひとつ、パート労働者の正社員への転換、待遇改善について盛り込まれたパート労働法改正案についての質問で飛び出したのが、「かな」と「たまたま」あった調査、との発言だ。
「かな」は、
先日の予算委員会で対象者が一握りになるのではないかと聞かれパート全体の「4~5%」と答えたことへの補則?である。4~5%くらい、「かな?」、ということだったらしい。
4~5%でもあまりにも少なすぎるのに、今日、その根拠をたずねた所、根拠とされたものが極めて不十分であることが明らかになった。
ドンピシャじゃないけど、「たまたま」あった調査、で、
①正社員と同じ仕事に従事している②責任の重さが同じ、が、4~5%
の21世紀職業財団が行った調査を引用した。
しかも、この調査は、大事な要件、法案の中にある「期間の定めのない労働契約を締結している」は、含まれていない数字なのだ。
対象者は1%にもならないのではないか、というのが、私たちの分析である。
なぜ、法案を作るときにしっかり調査をしないのだろう?
現実を知らないまま架空の数字を当てはめても、実効性は薄い。無駄にしかならないのではないか。
私たちは、すべてのパートに対して均等待遇を義務付ける対案を用意している。
超氷河期で正規の就職の道がなかったフリーターをはじめとするすべての非正規雇用の人々の待遇改善は、格差是正の最大の課題ととらえ、数々の法案を準備しているところだ。
この間の規制緩和は、労働者の選択権の名の下、取り返しの付かないほど歪をつれてきた。
そもそも、正規雇用者は世界で類を見ない長時間労働、サービス残業も厭わない姿勢がないと勤まらない。
これを正すのが最初だろう。
政府の掲げる「再チャレンジ支援」は、残念ながら、現実を直視しない、法律の根拠となる調査もない、それでいて、言葉だけはいかにも優しく響くものだ。
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