郡和子のコラム

2007年06月22日(金)

166国会運営

渡部恒三先生がご自身自民党の国対委員長を務めていたときのことをお話くださいました。

恒三先生は、昭和44年から国会議員として仕事をしている国会の生き字引のような存在です。

『国対委員長時代、「法案審議の日程については野党の話を尊重しろ、強行採決はするな。なぜなら、民主主義が数で決まるとしたら選挙で与党が勝てば国会審議は必要ないことになる。少数の意見を尊重して運営することが国会の意義だ。」と教えられ、肝に銘じやった。実は私もたった一回予算委員会で強行採決をした。明日からの国民の生活に直結するというのに連日リクルート問題で採決できない。いよいよ時間がないというとき、あの河野洋平君がいいことを言った。「国対委員長!強行採決を取るか民主主義をとるか、僕は民主主義を取るべきだと思います」と。しかし、その河野君もだ。僕は法案審議では野党の話を全部聞いた。これほど与党が強行採決を繰り返し野党の話を聞かない国会はない。長いこと国会を見ているがこれほどひどいのは見たことない!与党は与党だからこそすべきことすべきでないことがある。』

かつては与党の度量があったのだと思います。

なぜ安倍内閣が、166国会がこんなに強行採決・暴走が続いているのか、しかも、衆議院の7割が与党なのに。
理由はいくつかあると思います。

国会の日程を知りながら、重要法案を十分な審議時間が取れないタイミングで出している読みの甘さ。
法案の中身の悪さは、官僚の力が落ちているということでしょうか、あまりにもご都合主義的な性悪、筋の悪い法案ばかり提出されたということです。審議時間が長くなればなるほど持たなくなる。
総理ご自身が思いつきでお話になって後で廻りが右往左往、法律のことも行政のことも実はご理解が足りないのではないかとさえ思えることがたびたび。
火消しのために僅か一日で作った年金時効特例法などはそのいい例です。
そして、自民党内でハンドルの遊び部分の役割をしていたグループがもはや存在していない。

安倍内閣の166国会を検証する必要があるでしょう。
歴史に残る恥ずかしい国会だと思います。
今回の数々のことを反面教師として心に刻もうと思います。


2007年06月02日(土)

国会延長 一度私たちに! 

天下り規制の公務員改革を成し遂げ、また、社会保険庁民営化を図るのが、安倍さんの国会延長の理由です。重要法案を何が何でも成立させたい!のだそうです。
重要法案であることは同感です。しかし、その中身は…?
急いで成立させてはならない内容です。

まず、官製談合の元凶となる天下り「押し付け的な天下り」を無くす、というのですが、そもそも「押し付け的な天下り」など存在していません。
国家公務員の働く現場では50歳ごろから「肩たたき」が始ります。何しろトップに上り詰めるのは限られた人だけ。そこからはみ出す人たちに用意されるのが次の職場「天下り先」です。定年までいられない職場のあり方そのものが、一体どうなのでしょう?
各省庁が所管する独立行政法人などが次々作られ、そこを渡り歩き、退職金や報酬を何度も何度も手にする元官僚が後を絶ちません。そんなに所管団体が必要なのでしょうか?
根幹のところに手を入れず、現状追認の制度に新たな法的根拠を与える法案です。国のためにも国民のためにもなりません。

社会保険庁解体では、職員の非公務員化で効率的な仕事ぶりとなる、というのですが、給与は税金、今よりその給料は増える可能性が高く、理事長を国会に招致し話を聞くこともできなくなり、徴収された年金保険料は給付金以外にも使い放題となるのです。加えて、長く国民一人ひとりのプライバシーに関わる情報を管理せねばならないものを、闇雲にいくつも民間に委ねていって大丈夫なのでしょうか?安倍総理は新たに社会保障番号を検討すると口にされましたが、制度の根幹に関わることを言うのであれば、法案そのものを作り直す必要があるのではないでしょうか?
筋のすこぶる悪い法案を急いで成立させることこそ、国のため国民のためにやめていただきたいと思います。

今日、報道陣の延長理由の質問に、安倍総理は「国のため、国民のために成立を図る。これを阻むのなら国会議員を辞めてもらいたい」という趣旨の発言をされていました。
これほど、国のためにならない、国民のためにならない総理をもってしまったことに、情けない思い、悔しい思いがこみ上げます。

民主党はいずれも政府与党案より優れた法案を提出しています。
一度、私たちにやらせてください!政権党として政策を実行させてください!
痛切に思います。
このままでは駄目だ、と。


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