郡和子のコラム

2007年07月06日(金)

~議会制民主主義が崩壊した国会~166通常国会を終えて

河野洋平衆議院議長の会期終了の挨拶は「国会運営のあり方を考えさせられた」で締めくくられました。

166通常国会は、単なる多数決の場に成り下がり議会政治の崩壊を意味するようなものでありました。

民主主義とはなんでしょう。
最終的には多数決で決定がなされるのは間違いありませんが、多数決の前に、なすべきことがあります。私たち国会議員ひとりひとりは、法案について吟味するため議論を重ねるためにこそ国会に送って頂いています、与党であれ野党であれ、それぞれが国民の皆様の付託を得て。そして、野党である私たちは、政府与党が進める政策の、ここが分からない、ここが問題だ、ここはこうあるべきではないか、と、法案の中身について政府与党に説明をさせ、国民の皆さま方に情報を提供する役目を担っているのだと思います。そして、より国のため国民のためになる制度として法律を世に送り出すのですが、この国会は、法案の中身の審議もそこそこに強行採決が連発されました。政府与党は、よく、審議時間を取り上げますが、単なる開催時間の長短ではなく、中身の審議が深まったのかどうかが重要です。その点、成立した重要法案は、法案の中身の審議も入れず強行に採決が行われたものも少なくありませんでした。
年金法案の委員会採決での行動で懲罰委員会が開かれましたが、委員長を「宙に浮かせたまま」の強行採決で最終的に内山議員に登院停止30日の異例の厳しい懲罰が下されましたが、これとて、数の暴力ではなかったでしょうか。また、会期を一週間残した参議院29日の本会議、未明にまで及びましたが、委員会採決を飛ばして中間報告で採決させる「禁じ手」まで使うファッショぶりでした。
大多数を得ている政権党は、野党や世論の批判や意見に謙虚に耳を傾け理解と合意の上で採決し最終の多数決で決めていくべきです。これが議会制民主主義ではないでしょうか。

この国会は、議会制民主主義が崩壊、いや、消滅した国会でありました。

日本に真の民主主義を確立させる戦いが迫っています。
年金の問題も争点のひとつでしょうが、このような議会制民主主義の消滅を是とするか否かの戦いだと思っています。


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