郡和子のコラム

2007年09月04日(火)

だから監察部門をもつ国税庁と合体させ「歳入庁」にすべきではないか ~年金横領で~

社会保険庁は、社保庁職員、また、徴収業務をしていた自治体職員が、この45年間で3億4274万円も年金保険料を横領していた事実を昨日(今月3日)初めて明らかにしました。

「これは泥棒だ」
舛添厚生労働大臣が会見で厳しい口調で言ったのも当然、しかし、「職員の懐に消えた年金」事件の半数近くがこれまで公表されなかったことは、大臣がいまさら「泥棒だ」と怒って見せたところで、問題の解決には繋がらないのではないでしょうか。

私たちは当初から、国税庁にある職員の犯罪にも目を光らせる監察部門の必要性を訴え(当時明らかになっていた年金横領の事件を例に挙げ、この他に同様の事件が何件、金額はどのぐらいあるのかと資料請求を続けたのですが、一切拒否、今回の発表は想像を超える件数と額でした)、年金の信頼を得るには厳しいチェック機関が必要であり、また国税庁の徴収のノウハウも生かすことが出来、重なった作業も一つに出来る「歳入庁」にすべきであるとの構想を法案にさせていただき、先の通常国会で論戦を挑んだのでした。
しかし、ご承知のように、殆どこれは審議せず、政府・与党は、非公務員化すれば「親方日の丸」意識もなくなり規律が生まれるとの答弁を繰り返し、逆に国会のチェックも及びにくくなる特殊法人「日本年金機構」へ看板を架け替える法律を成立させてしまったのでした。
重ねて言いますが、日本年金機構の理事長に説明を聞きたくても国会への招致は難しくなるのです。

年金も徴収する機関組織が公正公平であることが重要であり、その信頼が年金制度を持続していく上で不可欠な要因であるわけで、非公務員化すれば解決する話ではありません。

もとより、二十歳以上のすべての国民を加入させ国が管理する長~い国家制度ですから、公共労務でやるべきだと考えています。国税庁と合体させ「歳入庁」にするという方法が勝っていると今回の事件を受けて強く思いますが、皆さんは如何でしょう?

二度とこのような不正を繰り返させない体制を作らなければなりません。
「こういうことをした連中は牢屋に入るのが当たり前」と大臣は言いましたが、こういう犯罪をさせない仕組みづくりをしなければならないのです。


コラムカレンダー

  • 9

    << September. 2007 >>

    S M T W T F S
    « 8月   11月 »
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  
  • 月別アーカイブ