郡和子のコラム

2007年11月01日(木)

ねじれ効果

<ねじれ国会、秋の陣>

参議院で民主党が第一党となり、これまで隠され続けてきた政府の情報の虚偽・隠蔽体質にメスが入ろうとしています。
今国会の最大の目標といわれたテロ特措法の延長問題では、「職を賭す」と話した安倍さんが突然政権を投げ出し国会の休眠状況を作り総裁選挙に明け暮れたことを棚に上げ、政府与党は給油活動の延長に反対する民主党に対し批判世論をつくりだそうと躍起になっています。福田内閣で活動の中止期間を短くしようと新法が提出されましたが、政権が斜陽に向かうとき腐敗が露呈するもので、前次官の問題が明るみになりました。

<補給なくして戦えない、給油は戦争への加担そのもの>

そもそもインド洋での給油活動でテロはなくならず、それどころかアルカイダとの戦い(アフガン・イラク介入)で世情は益々混乱しあらたな貧困と難民を生みました。私は、給油活動自体、アメリカが始めた戦争への加担であるとの認識を持っています。「国際公約」とは安倍さんが勝手にブッシュさんと交わした約束に過ぎません。
あの給油量の虚偽・隠蔽は何を意味しているのでしょう。法律を逸脱していることを隠すためであったと見るのが普通ではないでしょうか。加え、この新法をシーレーンとからめ油を輸入に頼る日本の国益とも説明していますが、それはこの法律とは別の議論で、国民の皆さんをミスリードし欺くものだといわざるを得ません。

<大きなスキャンダルになるか>

この間、防衛省の前事務次官、守屋武昌氏への尋常ではない接待攻勢が明らかになり証人喚問も行われました。閣僚経験者へも接待があったことが分かりましたが、これも、参議院選挙の結果の「ねじれ」現象があって初めて引き出されたものと強調させていただきます。新たな疑惑解明に向け、今後、更に証人喚問を要請するとともに、特捜の捜査も待ちたいと思います。

<薬害肝炎の問題では>

これだけではありません。薬害肝炎の問題。長い間厚生労働省の地下三階の倉庫に隠されていたリストが出てきました。止血剤として使われたフィブリノゲンの海外での承認取り消しを知っていながら汚染された薬を認め続け、肝炎を発症させられた患者を特定するリストも持ちながら何の手も打たない、全国で行われている裁判ではこの事実をひた隠しにし、患者に鞭打つような嘘の文書を証拠書類として提出していることも、明らかになりました。
これも「ねじれ」が生んだ成果です。私たちはかねてから救済法案を参議院に提出していましたが、ここに来て、与党も慌てて肝炎対策について政策をまとめ、福田総理も薬害肝炎で政府の責任を認めざるを得ませんでした。

<ねじれをバネに政権交代へ>

つまり、このように考えます。「ねじれ」国会を政策の停滞を招くとの批判的な声は、当たってはいない。「ねじれ」は、これまで暗室に閉じ込められていた政府の情報を公開させるのに大きな力を発揮している。虚偽・隠蔽体質に対して大きな力を発揮し、政府の失政を正す効果を上げている。糸も縒った方が、鉢巻もねじったほうが強い、のです。
兼ねてから、私は、政権交代を可能にすることが究極の情報公開であるとお話をさせていただいてきました。情報公開によって腐敗を浄化し無駄を省くことで、政治は変わります。そして、格差を容認するアメリカ型の市場経済主義からヨーロッパ型の福祉重視国家に政策転換を図り、生活の安心・安全の政策実現に取り組みたいと思います。
「ねじれ」をバネに「政権交代」を目指して、なお一層頑張るつもりです。


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