郡和子のコラム

2007年12月20日(木)

薬害C型肝炎 和解拒否

薬害根絶、全員救済を求めた原告の願いは聞き届けられませんでした。
薬事行政に厳しい反省が必要です。
薬害肝炎問題。
大阪高裁の和解協議をめぐって、舛添大臣が、国側の修正案を示しました。
しかし、被害者全員一律救済の主張が一切取り入れられていない内容で、原告は和解協議の打ち切りを決めました。

私たちもこれを受けて原告・弁護団からお話を聞かせていただきました。
涙をこらえながらの皆さんのお話は、至極もっともです。
同じように薬害により感染した患者が、薬の投与時期で命の線引きされ、一方は切り捨てられる、しかも、国の責任も曖昧では、原告の皆さんは落胆し、怒り、国への信頼をもてなくなるのも当然でしょう。

厚生労働省の前にある「誓いの碑」HIVの薬害の反省から作られたものですが、全くその教訓は生かされていません。

全員救済をすると公言した舛添大臣はアドバルーンを掲げただけ口先だけでした。
今回の期待された修正案は、厚生労働省の役人の責任逃れの理屈を代弁するだけで、命と健康を守る行政のトップに値しません。
あの薬害エイズを解決に結びつけた菅代表代行は、舛添大臣を「国民の代表ではなく官僚組織の利益代表である」と指弾しました。

今後も、私たちは、治療費の助成の問題について引続き協議し、法案成立に向けて尽力するとともに、原告・弁護団の要望を受け止めながらこの問題に取り組んでいきたいと思います。
そして、何より、薬害を繰り返さないために、これまでの薬事行政を改革していきたいと思います。

それにしても、弁護団に「被害者の頬を金でたたく」と表現される修正案しか出せないこの国が、政治が、恥ずかしく、情けなくなります。


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