郡和子のコラム

2008年02月21日(木)

道路が特別という時代は終わった

道路特定財源問題で集中審議が始まりました。

次々明るみになる無駄使い。
たとえばガソリンに本来より多くかけられているその税金が、天下りの官僚の報酬に変わっていたり、道路ではないところにも、地下鉄建設費にさえつぎ込まれ、国交省の職員の福利厚生費にも、と、蛇口が壊れザーザーと流れている事実に愕然としていることと思います。

政府から出ている案の道路計画14000キロ、59兆円は、費用対効果が上回る道路整備をするとされています。
その根拠として需要推計というデータを引いて決定されたようですが、この需要推計は、なぜか、直近のものではなく6年前のものが使われています。
実績値は直近の資料では大幅減少しているのに、国交省が使ったこの推計資料は、あろうことか2030年まで緩やかに上昇を続けるというものでした。
水増し需要です。
そして、14000キロは、なぜか四全総策定当時の計画のまま、当時と推定人口も国の財政も現状とは大幅にずれが生じています。

すでに今回の計画の根拠は崩れていることを皆さんもお気づきのことと思います。

国の借金が増える中、赤字をつぎつぎ累積していく高速道路は本当に必要なのでしょうか?

高速道路ができたことで古くからの街が空洞化して寂れてしまった例を、あなたは知りませんか?
一つ二つあげることは皆さんにも簡単にできると思うのですが、いかがでしょう?

一方、公共交通は田舎に行けば行くほど整理削減が進み、病院に行くのにも公民館に行くのにも銀行に行くのにも苦労をするお年寄りが多くなっています。道路があっても交通手段がないのです。
公共交通体系も一緒に議論するべきでしょう。そこに財源を投入する必要もあるでしょう。

今日の予算委員会で自民党の重鎮尾身さんが「道路がなければ日本はつぶれるんだ」というような野次を飛ばされました。道路を根拠もなく造り続けることが日本をつぶしてしまうことになるのではないかと、以前地域を回っていた時に、1日にわずかしかないバスをじっと待っていたおばあちゃんの顔が浮かんできました。

今回の道路特定財源を巡る議論は、日本の将来の国の形を示す良い機会ととらえています。
道路だけ特別だという時代ではありません。
もちろん必要な道路や補修はやればいいんです。一般税源でできるんです。
政策の優先順位をそれぞれの地域が決め、限られた財源を有効に使っていくことこそ求められているのだと思います。

そして延々暫定という名で上乗せされてきた分を撤廃すれば、宮城では一世帯当たり年間6万3000円の減税効果がうまれます。何か新たな購買に結びつくかもしれません。
地元の商店で買い物をしていただければなお嬉しく思います。


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