郡和子のコラム

2008年03月28日(金)

年度末の攻防は古い政治からの脱却

いよいよガソリンなどの値下げが秒読みとなりました。

参議院で与野党逆転という状況を皆さんに作っていただいたからこそ、これまで闇に葬られてきた道路特定財源の驚くべき無駄遣いも明らかにすることができ、利権の構造も暴くことができました。
「ねじれ」と言われる状況が、政治を透明化し強くしているのだと、実感せずにはいられない国会です。

そして、やっと総理が道路特定財源を09年度からであるとはいえ一般財源化すると言及したことを評価したいと思います。しかし、今回の総理の「決意」が与党の道路族議員を中心に総理下ろしの包囲網へとつながりつつあることは明らかで、今後何が起きるか、緊張の度を増したというのが本当のところだと思っています。
暫定税率撤廃への道筋はまだお預けですが、揮発油税の暫定分が期限切れを迎え、ガソリンの値下げが現実のものになりました。
このことに対して、大きな混乱が起こる、いや既に、ガソリンスタンドなどでも赤字覚悟で価格競争に入る、地方も事業凍結など避けられない、との報道がなされ、さも、民主党が駄々をこねいやいやをして政争の具にしていると、批判の声が聞こえてきますが、決してこれは当たっていません。
なぜなら、蔵出し税であるこの部分を、同じような酒税のときの以前の対応で十分に迷惑をかけることなく手当てすることが可能であることも私たちはこれまで何度も示させていただきました。道路財源の部分を切り分け審議することも、当初から法案を出し訴えてきたところです。
そもそも、地方議会が作る予算案は、政府の予算が通らないうちに成立を見る、という、妙な状態がこれまで続いていること、しかも、今回、暫定税率の期限がこの3月までであることが分かっていながら、決まっていないことを当て込んで予算を立てることの問題を、私自身は、とても奇妙なことと思います。

批判は的外れ。これまで長く続いた自民党政権の負の遺産、そう、政権交代のない「平和ボケ」の政治にどっぷりつかり、政治の変化を、未来を、意識できないでいるのではないでしょうか。
与野党の勢力がこのように拮抗する状況に与党が全く対応できていない、政権党として責任を果たすためのプランを作れないまま今日に至っている、ということです。

いよいよこれからが本当の政治決戦。
この年度末の税制の攻防から本当の民主主義を手にする戦いが始まります。
利権を温存させたまま格差をさらに広げる政策を許すわけにはいきません。
後期高齢者医療制度をはじめ医師不足、年金、介護、そして、雇用、食の安全に環境と、課題は山積しています。
皆さん一緒に、変えていこうではありませんか、古い政治から脱却して、日本の未来を、政治を変えていこうではありませんか。


2008年03月25日(火)

やはり、消えていた年金

<やはり消えていた年金記録>
国民年金の保険料の納付をした領収書が残っているのに社会保険庁のコンピュータや紙台帳に記録が一切ない「消えた年金」が、2007年9月の時点で1541件あることがわかりました。
今日の一部新聞に大きく報じられています。

政府・与党が「年金は消えていません」と参議院選の折にも不安をあおるなと大々的にPRしていたことを覚えていらっしゃると思います。
これに対して、私たち民主党が、実際「消えている」例があるではないかと社会保険庁に資料請求して、やっと出てきたのが1541件という数字でした。

新聞には、昨日の自民党の年金問題に関する検討会で報告された、とされていますが、私たちの要求に対し私たちに回答する前に、要求もされていない自民党へ報告し、それが記事になったのですから、当然のことですが、今朝の部門会議は最初から大荒れ、社会保険庁のこの対応へ抗議することから始まりました。
参議院の与野党逆転を受けても未だ自民党にお伺いを立て自民党の反応に従うお役人の習性なのでしょうか。

それにしても「消えた」年金記録があることを、社会保険庁自身が認めたことになります。消えていた記録は、去年の9月時点で1541件、重ねて言うようですが去年の9月の数字ですからもっと増える可能性が高いことは明白です。

<与党の参院選公約は守られない>
また、自民党の参議院選挙の折の公約であった「この春までの全員統合」がいかに現実味のないことだったか、つまりいい加減な公約だったかがいよいよはっきりしてきました。

5000万件の誰のものか分からない記録について、これまでに統合ができたもの417万件、統合の必要がないと確定した記録は648万件であると、今日改めて社会保険庁から説明がありました。
統合はわずか417万件にしかすぎません。さらに、統合の必要がないとされた①「死亡一時金を受給している記録」②「脱退手当金の受給等で新たな受給に結び付かないと考えられる記録」のケースの中にも、例えば①では、申請をしていないケースは給付に結び付かず、②では、実際に第3者委員会に申し立てがなされ脱退給付金を実は受け取ってなかったことが認められたケースが2件あった、など、統合の必要がないと確定したとの説明はごまかしでしかありません。
統合されるかもしれないケースなのであって、まだまだ調査が必要なケースは多いということです。
いったい何年かかるのでしょう。

<国家的詐欺の総額は?>
ところで、統合作業を進めようと、記録の持ち主である可能性が高い方々に対して、社会保険庁は「年金特別便」を送っています。すでに受給している方々232万646人、現役加入者の方123万8315人に送られましたが、訂正に結び付いた人は33万718人にすぎません。送られた年金特別便を見て訂正の必要はないと回答した人たち(本当は記録統合される可能性が非常に高い方々なのです)が、「年金額がそれほど増えるわけではない」「あまり関心がない」を理由に訂正なしと答えている例も少なくないことがわかりました。
年金額がそれほど増えるとは思えないのに面倒な手間に費やす時間はない、とでもいうことでしょうか。秋に出された分厚い調査報告書の中でも、いくら年金が国家にネコババされているのか、本来国民に給付されるべき正しい額は総額でいくらに上るのか、一切言及されていません。(新しい政府広報には、統合によって年3万円年金額が増えたという女性の例が掲載されていますが、全体でどのぐらいの額に上るのかこの期に及んでもはっきり示していないのです。)
本来の年金給付総額も至急表に出すよう部会で要求しました。

<消えた年金、そこから天引き、が始まる>
年金の状況がこのようであるのに、4月から、高齢者の医療制度が変わり、健康保険料が天引きされることになります。
原則月15000円以上の年金を受給されている人すべてからです。
保険料は全国平均で6000円ほどです。
いくら手元に残るのでしょう。これで食べていけるのでしょうか、暮らしていけるのでしょうか。

恥知らずで冷たい政治を、皆さんとともに変えていきたいと思います。


コラムカレンダー

  • 3

    << March. 2008 >>

    S M T W T F S
    « 2月   4月 »
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
  • 月別アーカイブ