郡和子のコラム
2008年08月30日(土)
政権交代へのゴング、臨時国会を前に
皆さま、お変わりありませんか?
短い夏が終わり、日本各地で集中豪雨の被害が広がりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた皆さまに心から見舞いを申し上げます。
さて、大きなお知らせです。
私の質問で、国が新しいモデル事業をスタートさせることになりました。
障害者雇用促進法一部改正案、169回通常国会で衆議院での継続審議となり法案はまだ成立していませんが、私の質問でしょうがいをもった方の就労支援が広がることになったのです。
中身は、精神しょうがいの方の雇用と職場定着のノウハウを構築するモデル事業(2億円)と、発達しょうがいの方、難病の方を雇用し、適切に雇用管理等を行った事業主に対して助成を行うモデル事業(それぞれ5900万円規模)で、いずれも来年度からスタートすることになりました。
自立を求めるしょうがい者の就労意欲は高く、求職件数、就職件数はともに大きく伸びています。
しかし、しょうがい者の雇用率の向上を支えてきた従業員300人以下の中小企業の雇用がここ数年、大幅に低下傾向をみせているのをはじめ、発達しょうがい者、難病者、高次脳機能しょうがい者など、手帳を持たない方は雇用促進法の雇用率・納付金制度から外れており、私は質問で、対象を拡大すること、自立と就労のために切れ目ない企業への支援も必要だと追及していました。
大臣から「特定疾患、発達障害、高次脳機能障害、こういう方々に対して総合的な大きな施策の転換を図るべき時期に来ている・・・。」「手帳を持っているかどうかの有無とか、主治医の意見書があるかどうかの有無とかではなくて・・・。」と踏み込んだ答弁を引き出し、これに沿う形で、厚生労働省がモデル事業を新設することにしたのです。
新しい事業をスタートさせ予算をつけた、この嬉しさは、質問の準備のためにお話をいろいろと聞かせていただいたしょうがい当事者の皆さん、また、養護学校の先生、親御さんたちと分かち合いたいと思います。
ところで、2008年の中小企業白書では、過去3年で経営がとても困難になったと答えた事業所が全体の4分の1に、特に5人以下の小さなところでは実に8割以上がとても困難になったと答えていました。
いざなぎ超えの好景気など、中小零細企業は全く感じとることが出来ないまま、景気は減速傾向に入りました。なお厳しさが増してくるものと思われます。
政府は物価高や景気減速に対応しようと8月29日、総合経済対策をまとめました。
中小・零細企業の資金繰り支援では新しい保証制度を導入するとしていますが、あくまで事業主に借金をさせるにとどまっています。
これで、日本の経済の柱である99.3%の中小零細企業は本当に元気が出るのでしょうか?
また、与党公明党の主張を取り入れ「家計への緊急支援」として08年限りの「定額減税」を盛り込むことになったようです。あれほど自民党内に慎重意見が多かったものの福田さんが折れた形です。
そうしてみると、ますます福田さんの政権運営は公明党主導にならざるを得ないのか、という気もしてきます。
いずれにしろ、解散総選挙へ向けゴングが鳴るであろう臨時国会の日程も決まりました。
これまで以上に徹底的に政策議論をしたいと思っています。
ご理解とご支援をお願いいたします。
2008年08月20日(水)
大野病院事件判決
注目の判決が出ました。
福島県立大野病院で、帝王切開手術を受けた女性が2004年12月に死亡した事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医に対する判決です。
「無罪」でした。
今年3月の論告求刑公判では検察側が、禁固1年、罰金10万円を求刑していましたが、弁護側の完全勝利といってもいい判決が福島地裁で言い渡されました。
全国から傍聴券を求め多くの方々が詰めかけたと聞きます。
この事件をきっかけに産科医不足に拍車がかかり全国で赤ちゃんの産める病院が激減、医療そのものが委縮し医療崩壊が進むと、医療従事者から大きな声が上がりました。
一人医長体制で出産から何から何まで責任を負わざるを得なかった体制の問題も大きく報じられました。
医療は危険と隣り合わせで、最悪の結果を避けられない場合もあります。
過失はなかったとの判決に、医療関係の方々はみなホッとされた様子でした。
一方、被害者遺族の方は、真実を知りたい一心で公判に足を運び、亡くなったことが納得できたのかどうか、無罪判決に無念さをにじませながら「今後に生かしてほしい」と会見で述べられていました。
最悪となった結果を、どのように患者遺族に説明したのか、医療者側の誠意が伝わらなかったからこその刑事裁判だったのでしょうから、その心痛も伝わってきます。
国は今、医療事故の究明のための第3者委員会設置へ向けた法案の準備を進めていますが、いまだに議論は暗礁に乗り上げている状況です。
党内でも政府試案に対する議論を行い、納得と究明のためのより良い案を練っているところです。
個人的には、今回の事件で医療界がこぞって壁を高くし検察へ十分に協力したのかどうかは、ちょっと疑問が残る部分もありました。警察が入って突然の逮捕ということの衝撃が強かったからでもありますが、医療界はもっと自浄作用を高め透明性を図る努力を怠ってはならないと思っています。
その上で、患者も医療者もともに不幸にならない納得の医療構築のために、原因を解明して再発を防止するための機関の設置が必要でしょうし、法整備を急がねばならないのだと思っています。
2008年08月01日(金)
福田改造内閣~安心「実減」内閣
安部さんからのお下がりの内閣から自前のカラーを出すとの決意で断行された福田改造内閣が一日スタートしました。皆さんの評価はいかがでしょう?
昨年総裁選挙で戦った麻生さんを幹事長に、そして、伊吹さんは横滑りというのでしょうか閣外には出せず出身でもある財務省トップに、そして、消費税増税論者の与謝野さんを経済財政諮問会議を束ねる担当大臣に起用しました。
また、拉致問題での取組みで人気浮上を狙うのでしょうか、少子化担当大臣に中山恭子さん、文部科学大臣の鈴木恒夫さんは、今年の年頭今期限りで衆議院から身を引くと言っていた人でした。
また、小泉改革路線とは違うのだとのメッセージでしょう、郵政造反組の野田聖子さんを消費者行政担当、保利耕輔さんを政調会長に迎えましたが、なんとも、つぎはぎだらけの印象がぬぐえません。
改造を終えた1日夜の記者会見で衆議院解散・総選挙の時期を訊ねられた福田総理は「解散を論じるより政策の実行」と、解散・総選挙はこの内閣で実績を残した後だとの姿勢を強調されていました。
そして、自らの内閣を「安心実現内閣」と命名して見せました。が、しかし、その福田さんの顔が自信なさそうに見えたのは私だけではなかったと思います。
政府・与党の「安心」は「安心できない」ことを、「100年安心の年金制度」から私たちはすでに十分過ぎるほど学ばせていただいたのですから、無理もないでしょう。
福田改造内閣が何をしたいのかをくみ取った方はおられましたでしょうか。
よく…わからない…、そんな声が聞こえてきます。そう、私もよく分かりませんでした。
「昨年9月の就任以来、国民目線での改革を進めてきた。しかし、ガソリンや食料品価格高騰の影響で生活が苦しくなったと感じている方が多い。生活改善を実感できる政策の実現を重視した新たな布陣にした。」
国民目線で本当にこの一年、福田さんは政治のリーダーシップを発揮してきたのでしょうか?
原油高のせいばかりではありません、ガソリンの暫定税率を数の力で復活させたのは、どなただったでしょうか?
「年金、医療、介護など社会保障制度のあり方について逃げることなく根本から見直す。」
これほどセイフティネットに穴があき格差拡大に拍車がかかっているのに、来年度も2200億円の社会保障費削減を決めていて「逃げることなく根本から見直す」とは何をどうするとお考えになっているのでしょうか?
「行政のムダ・ゼロ、低炭素社会実現などは着実に進んでいる。」
霞が関改革もままならず天下り温存で無駄ゼロでしょうか?
2050年までに温室効果ガス70%を削減するといっても福田さんは2050年いったい何歳になられるのでしょうか?私だって生きているのは難しいかもしれません。もう少し検証可能なスパンで進めなければならないことなのです。
「テロとの戦いやイラク、アフガンの復興は極めて重要。」
今やアメリカ世論はイラクからの軍の撤退が大多数、大統領選の行方も考慮せずに国内の燃油高の悲鳴に対応しないままタダで給油を続けるのが本当に国益の適うのかどうか?
こうしてみると、新しく大臣になられた方々には申し訳ないのですが、もはや福田さんの下では何も好転しない「安心‘実減’内閣」で、むしろ「解散・総選挙加速内閣」と言えるかもしれません。
政府与党の来年度予算シーリングでは、80兆円規模になる一般会計のうち、いわゆる政治枠は3300億円ということです。今年度の500億円と比べると大幅増ですが、これは総選挙をにらんでの大盤振る舞いの姿勢。しかし、80兆円のうち3300億円は約0.4%でしかありません。
政治の決断でお金の使い道を決められないのがこの国の実情、そう、あくまで財務官僚の手の中での予算編成に代表される「官僚内閣制」です。
今、皆さんが望んでおられるのは、未来に希望の持てなくなった日本を変えてほしいという、内閣改造ではなく日本の政治そのものの改造ではないでしょうか。
それは今の政権党では果たせない「官僚内閣制」からの脱却でもあります。
政権交代へ向けいよいよ最終章の幕が開き、奮い立つ思いでいます。
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