郡和子のコラム

2008年09月23日(火)

一郎VS太郎

次の日本の総理大臣を選択し決する戦いが目前に迫ってきています。

21日、私たちは臨時党大会で小沢一郎氏を党代表と正式に決めました。
そして、大会で、日本の民主主義にとって最も大事な政権交代への決着のとき、日本の政治悲願を達成するために共に力を尽くすことを確認しました。

党大会で小沢代表は「新しい政権の基本政策案」を発表し、「格差がなく公正で、ともに生きていける社会」を築くためにと、次の9つの柱を掲げ皆さまに理解を求めました。
それは、
一、年金、医療、介護で、全ての国民が安定した生活を送れる仕組み。
二、子ども手当ての創設をはじめ、安心して子育てと教育ができる仕組み。
三、「働く貧困層」の解消はもちろん、まじめに働く人が報われる雇用の仕組み。
四、農林漁業と中小企業の再生により、地域社会を守り、活性化させる仕組み。
五、物流コストをはじめ、国民の生活コストを安くする仕組み。
六、特別会計の廃止などによって、税金を官僚から国民の手に取り戻す仕組み。
七、本当の地方分権を実現し、地域のことは地域で決める仕組み。
八、国会も政府も、国民の代表である国会議員が担い、国民自身が政治を行う仕組み。
九、地球環境の保全と国際社会の平和で、日本が地球のために頑張る仕組み。
です。

私たち民主党は明治以来140年にわたって続いてきた官僚を中心とする国の統治機構を根本的に改革し、国民自身が政治・行政を行えるシステムに変え、これらの柱を実現するしたいと思っています。

この基本政策案を基に、今私たちは総選挙のマニフェスト取りまとめの作業を急ピッチで進めています。

今月27日には、多賀城市で「マニフェスト集会」を開催し、県内の皆さま方のご意見をうかがわせていただきます。

与党の皆さんは財源についてあれこれ言いますが、これまでの、財務省の匙加減で決まる予算の仕組みを根本から変えていくのです。「予算の総組み替え」「国民の手による予算編成」という考えです。マスコミの皆さんもこの意味するところをまだ良くわかっておいでではないのではないでしょうか。

24日臨時国会が召集され、首班指名選挙で麻生さんが次の総理に選ばれ、組閣も選挙で有利になる顔を選ぶのでしょう。早晩解散するのに、なんとおかしな迷惑な話ではないでしょうか。

今の日本のさまざまな問題、雇用、年金、医療・介護、経済、外交、農林漁業問題、これらはすべて一本の根っこです。
憲法にうたわれている国民主権は現実のものとして実感できていたでしょうか?
皆さんが実は実感することができずにいたのではないでしょうか。
これまで私たちが主権者にさせてもらえない政治の仕組みが蔓延っていたからです。
これを今こそ変える、今こそ実現するときなのです。

一郎対太郎。
顔の好みで決めないで下さい。
親しみやすいか否かでもありません。
パフォーマンスでもありません。
理念です。信念です。
そして、国民主権か、否かです。


2008年09月14日(日)

その国の政治はその国の民度に比例する

企業の倫理観が壊れています。
汚染された非食用米を食用に転売し、儲けを上げる。
この事件はお酒だけでなく菓子だけでなく子どもたちや病人やしょうがい者お年寄りらの給食にもなっていた…。

政治の倫理も壊れています。
太田農水大臣のこの件での「消費者の権利より事業主の権利」発言。
かつての「レイプは元気の証」という驚きの発言がよみがえってきました。政治家の資質が疑われます。
誰を守るために政治があるのでしょう?

年金の問題も当初与党は「心配いりません、あなたの年金は消えていません」との政府広報を出していました。去年の参議院選挙の折も、与党の選挙応援といってもいい政府広報が次々皆さんのお宅に配られたことを思い出します。
政権維持のためなら税金をつぎ込んで何でもやる体質。
政権という権力はよほど手放したくない旨みがあるのでしょうか。

5人の方が出馬した自民党総裁選挙、連日マスコミで報じられていますが、このお祭り騒ぎで政権を延命させたいとの思惑がはっきり。総理大臣の突然辞任(それも二人も続けて)したにもかかわらず、それに対する謝罪も政治への信頼を傷つけたことへのお詫びもないまま、候補者たちは街頭演説で私たちがかねてから主張していた「国民の生活第一」の政策の良いとこどりともいえるような発言をしています。
特に小池さんの「官僚主導の政治から政治主導へ変えます」とのフレーズには驚きました!
自民党政権はこれまでが官僚任せで政治的責任を果たしてこなかったことを図らずも明らかにしたわけで、やる気ならとっくにできていたはずでした。
なぜできないか、してこなかったかが、問題なのです。
一部の富裕層と既得権益を守りたい官僚に「先生」とおだてられ権力の甘い汁を互いに貪り、国民の生活を自己責任論ですり替えて困窮させた責任をいったいだれが取ったというのでしょう。
これでは、火をつけておきながら自分で火消しを演じるのと同じです。

小泉構造改革後、改めて言うまでもないのですが、私たちの収入はどんどん目減りし負担だけが増えていきました。格差があらゆるところで拡大。そして、物価高。悲鳴が上がりました。
地方への交付税や補助金は36兆円、地方の基幹産業ともいえる公共投資は11兆円、合計47兆円も減らされ、中小企業は生き残りにあえぎ経済は疲弊、教育、医療、介護など公共サービスも著しく悪化しました。当然の結果でしょう。その政策をけん引した小泉政権の中枢、閣僚だったのがこの5人の皆さんです。

日本人は長い間、政府に飼いならされてきたのではないでしょうか。
本来は主権者たる国民が主人公のはずです。
一揆がおきてもおかしくない政治状況なのに、おとなしくお上に従い、何度も裏切られ続けても尚その足にしがみつき…、これでは何も変えられません。
皆さんが「いい加減に政治を変えたい」と痛感したからこそ、昨年の参議院選挙で政権交代可能な政党に私たちを育ててくださったのだと思います。

「その国の政治はその国の民度に比例する」と言いますが、自民党総裁選の後近いうちに行われるであろう解散総選挙は、海外からも日本国民の民度が注目されるでしょう。是非ここで政権交代を実現し真の民主主義、生活者主権の政治を、そして、政治家が責任をしっかり果たすという当たり前のことを皆さんとともに確立させたいと思います。
政権交代でしか政治は浄化しません。


2008年09月02日(火)

福田総理突然の辞任を受けて

「時のいうことをよく聞け。時はもっとも賢明なる法律顧問なり。」
これは古代アテネの政治家ペリクレスの言葉です。

突然の福田総理の辞任。
福田さんにとっての「時」とはいったい何だったのでしょう。
政権をともにする友党の声でしょうか、それとも自民党内の声だったのでしょうか。
いずれにしろ、国民の声を聞いてはいない…、昨日の記者会見を見ながら感じたことでした。

総合経済政策が打ち出され、臨時国会の日程も決まって、さあこれから国会で徹底討論だと背筋を伸ばしおなかに力を入れたところでいきなりの肩透かし。
この国のトップが二人続けて突然辞任するという現実は、なんとも「恥ずかしい」ことだと思います。
日本の政治の信用は地に落ちたと、政権党は知るべきです。

福田さんは昨年の9月、安部さんから総理を引き継いだ時にすぐにでも解散をすべきであったのであって、その「時の声」を聞かなかったために傷をさらに大きくしたのでしょう。
いわば、それ以後は、いつでも辞任はあり得る状況だったのであり、いまさら驚くことではないのかもしれません。さらに言えば臨時国会や通常国会での私たちの追及の効果がやっと現れただけのこと、だったのかもしれません。
もはや政権担当能力のない烏合の衆。

自民党は、これから新総裁選びでどのようにショーアップを図って支持を取り戻そうかと躍起になられると思いますが、今、自民党の顔が据え替えられても、衆参与野党逆転の状況が変わらない以上、新しい方も(たとえ国民的人気があるといわれる方でも)難しい舵取りです。
加えて国民に信を得ない総理大臣が三人も続くはずもありません。
つまり、どなたもが想像するように、解散は近づいた、と、はっきりしました。

冒頭の「時のいうことをよく聞け。時はもっとも賢明なる法律顧問なり。」
この国のリーダーが聞く声は、いや、政治に携わる一人一人が聞く声は、自民党内の政権延命の声ではもちろんなく、党利党略でないまさに山積する国内外の「時の声」です。
暮らしのひずみを抱える国民の声です。
格差であえぐ国民の声です。
今この時に急がねばならない政策はおのずと見えてきています。

野党に政権を譲って選挙管理内閣を組織し、1日も早く解散総選挙で民意を問うべきだ、という今日の朝日新聞朝刊一面の記事は、まさにその通りだと思います。

一日も早く。
そして、政治への信頼を取り戻したいと思います。


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