郡和子のコラム
2008年10月13日(月)
市場原理主義から脱却が求められている
世界的な金融不安・株安は、G7財務相会議で行動計画がまとめられ少し落ち着いたようですが、根本的な解決に結びつくのかどうか、私はいささか疑問です。あくまで痛み止めの効果でしかないと感じています。
経済対策が重要で選挙をしている暇はない、そう与党の皆さん、また一般の方々もおっしゃるようになりましたが、はたしてそうでしょうか。
虎の子の退職金を銀行や郵便局に預けてもゼロ金利では将来が不安だと、株の運用で少しでも資産が増えればと、50万円株を買ったお年寄り夫婦がいました。
少し寝かしておきましたが一向に上がらず、それどころか20万減らして、もう諦めようとその株を売ると、その30万円が収入とみなされ課税されました。
いわば預金を引き出し別の所へ移動させただけですが、損をしたうえに税金まで取られる…。
そのご夫婦は、どこまで年寄りをいじめるのだろうとおっしゃっていました。
こういった方がどれほどいらっしゃるでしょうか。
そもそも今回の金融不安・株安は、グローバル化の流れの中でアメリカの新自由主義に基づく市場原理主義が崩壊していることを物語っているのだと思います。
アメリカでの格差の問題はそのまま日本の格差になり、世界中で格差を広げる結果になりました。
この市場原理主義、強いものに味方する政策に対し、震源地であるアメリカでは転換を図ろうという民主党のオバマ氏が大統領選挙で優勢、カナダの総選挙では与党が厳しい批判にさらされ、間もなく結果が出るでしょう。減税政策を中心とする企業競争力、自由貿易を重視する政策では世界のマネーゲームは終わらない、弱い者いじめが続くと皆さんが感じているからです。
バブル崩壊後の日本に学べという学者もいますが、それは、とりもなおさず小泉構造改革をまたやれと言っていることです。その結末が今であることがわからないはずはないでしょうに。
日本は考え直すべきではないでしょうか。
今政府がやろうとしている経済対策は、あくまで競争原理の中での経済対策です。
真に日本の企業の底力を信じ支える、あるいは農業や漁業、中小企業を応援する、産業創出のため下支えする対策に転向せねば、近い将来また大きな病がやってくるでしょう。
だからこそ、アメリカやカナダのように日本も今すぐ選挙で皆さんにご判断いただくしかないと、私は思っています。
先延ばしは危険です。
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