郡和子のコラム

2008年11月30日(日)

年末に向けた非正規雇用者への対策

第2次補正予算の提出見送りを麻生総理は初めての小沢代表とのQTクエスチョンタイム・党首討論で改めて表明しました。

10月30日の景気対策発表時、また第1次補正が通過した後に、年末にむけてが心配だからスピーディに景気対策をやろうと言った同じ総理が、今度は年末については第1次補正でもう十分だといい、1月に第2次補正を出せばそれで間に合うとおっしゃったのですから驚きでした。

年末にかけて心配なのは、やはり中小企業の倒産、さらにはリストラによる雇用不安です。
特に派遣や請負で仕事をしながら寮で生活をしている人が、仕事がなくなると同時に住む場所もなくなる
という事態が次々明らかになっていますが、この年末、更に広がることを、なんとしても食い止めなければなりません。
11月25日現在で厚生労働省が把握しているだけで、10月からの非正規労働者の雇い止めは、47都道府県で30、067人。宮城県内でも1200人を超える方が仕事を失っています。

政府・与党が第2次補正予算を先送りして来年1月に回すという状況の中で国会の延長が決まったわけですが、それは本来2次補正を議論すべき時間だと思っています。民主党は、年末を乗り切るための景気対策・経済対策・雇用対策の法案を出していくことを決めました。

私は「非正規雇用対策プロジェクトチーム」事務局次長として雇用対策を担当します。

当面の緊急雇用経済対策として私たちは(1)派遣労働者等の契約停止に伴う就労支援のための住宅・生活支援、(2)雇用保険をはじめセーフティネットの充実、(3)採用内定取り消しに関する対応、(4)派遣労働者に関する事項、(5)期間の定めのある雇用契約に関する事項、(6)短時間労働者に対する待遇の差別的取り扱いの禁止に関する事項、(7)マルチジョブホルダー(多重就労者)に対する労災適用や労働時間管理、雇用保険等社会保険適用の整備に関する事項、(8)経済的従属関係にある労働者(偽装雇用)に関する事項、を検討していくことを確認しました。
特に「ハウジングプア」対策、公費による補足的失業補助制度の創設、雇用保険制度の改革などを視野に、社会的セーフティーネットの再構築に向けて作業を進めていくつもりです。

ところで、すでに今、社会保障・福祉のセーフティネット・最後の砦が「刑務所」になっている状況だとの指摘があります。先日公表された、2008年度版の犯罪白書、特集は高齢者の犯罪の増加で、高齢者の犯罪の半数以上は軽微な犯罪「万引き」、背景には、生活の不安定や孤立があることが示されていました。

生きるために犯罪の汚名を着てもでも「そこ」に行きたい…、行かざるを得ない、ということでしょうか。
政府の福祉政策の無策としか言いようがありません。
政治家として申し訳ないことだと思います。
年金問題を含め福祉政策、社会保障を根本から作り直さなくてはなりません。

まずは、仕事を失い住むところを失った人たちがそこへ逃げ込まざるを得ないようなことが起きないよう、スピーディに対策を講じたいと思っています。


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