郡和子のコラム
2009年11月28日(土)
「事業仕分け」と「決算行政監視委員会」
「流行語大賞」、毎年12月上旬に発表になる予定ですが、さて今年はどうなるでしょう。
すでに60のワードがノミネートされています。
ご存知の方も多いと思いますが、その中のひとつに「事業仕分け」が挙げられています。
9日間に及んだ鳩山内閣の「事業仕分け」には、およそ1万4000人が実際に会場に訪れこの作業を傍聴したということで、皆さんの関心の高さを改めて感じました。
そもそもその事業は必要なものかどうか、その事業の中に無駄はないか、外部の視点も入れながら、必要ならばどこがやるのか、官か民か、国か地方か、公開の場で、一つ一つの予算項目ごとに議論していくのです。
予算編成の成り立ちを可視化し、慣行で行われていた事業の無駄をあぶり出していく…。
いくら予算を削減できるかどうかよりも、その作業の議論の過程こそが、最も皆さんに知っていただきたいことだったと思います。
この「事業仕分け」は、2002年、行政改革をめざす「構想日本」の提案によって、「国と地方の税制を考える会」(宮城や岩手、秋田など10の県知事と10の市町長)のプロジェクトでスタートしたもので、現在まで自治体では進んでいるところが数多くあります。
一方国では、去年、自民党の河野太郎氏らが中心となって初めて文科省の事業仕分けが行われたのですが、残念ながら、インパクトは薄いものでした。
野党時代の私たちも、去年の暮れから各省庁の事業仕分けの「プレ作業」を行い、私もそのメンバーとなって作業に当たりました。そして、その結果を元に、無駄を指摘し、夏の総選挙に臨んだのでした。
そして果たした政権交代。
鳩山内閣が、いよいよ本格的に、衆目を集めるなか、この作業を行いました。
作業が始まると様々な意見が噴出しましたが、それでいい。それこそが、つまり、多くの皆さんに限られた予算をどう使うべきか問題提起できたということこそが、重要な目的の一つでした。
あだ花を摘み新しい花を咲かせ実をつけさせるためには、相当の苦労は避けて通れないと覚悟しています。
年末の予算編成までまだまだ曲折はあるでしょうが、ぜひ、注目していただきたいと思います。
ところで、余談ですが、小型の辞書には6万語から8万語の言葉が掲載されています。
たいていの日本人は、この辞書の6万から8万語をすべて知っているわけではありません。
成人でも5万語前後の理解に留まると言われています。
(表現語となると、もっと少なくなるでしょう。)
さて、「事業仕分け」という言葉、小型の辞書には載っていないようですが、流行語大賞に選ばれたなら、掲載されるのではないでしょうか。小さな子どもでも「知っている」言葉として認知されるまでになったのですから。
いや、それよりも、私が理事を務める「決算行政監視委員会」が、委員会の本来の機能を果たしていれば、こうした仕分け作業も必要はないのですが、残念ながら、これまで委員会が十分に機能してこなかったことの裏返しです。
政権交代で、この委員会の機能強化が重要であることを改めて認識し、これまでにない議論の場にしていこう、そう肝に命じるこの頃です。
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