郡和子のコラム

2010年02月11日(木)

いのちを守る予算

「いのちを、守りたい。
 生まれくるいのち、そして、育ちゆくいのちを守りたい。
 働くいのちを守りたい。
 世界のいのちを守りたい。
 地球のいのちを守りたい。」
この、鳩山総理の施政方針演説は、公共事業予算を18.3%削減すると同時に、社会保障費9.8%増、文教科学費5.2%増と、人に投資する大きなメリハリのついた予算編成に表われています。

これまでの経済をはじめとする旧政権での政策は、人口が継続的に増加するという環境の下で形成されたものです。
日本が突入した人口減少社会で発生しているさまざまな問題の根源は、このシステムが、新たな環境に適合しえなくなったということでしょう。
だからこそ、対症療法ではない新たなシステムの構築こそが必要だとの強い決意で編成された予算だと思っています。
税収が極端に落ち込んだ中で、ぎりぎりできる限り、この理念を反映させた「いのちを守る予算」です。

まず、家族関係の社会支出を増やす決意を示しました。
日本はこれまで家族関係の社会支出は対GDP比で僅かに0.81%でした。
ドイツが2.22%、フランスは3.00%、スウェーデンは3.21%ですから、いかに乏しかったかお分かりいただけると思います。
メニューは各国並みにそろってはいるもののいずれも少量で満足できない、「お子様ランチ」と称されていたぐらいです。
今回、こども手当を半額ではありますが支給することでGDP比1.13%になり、満額支給で1.74%に上昇します。
手当等の現金支給ではようやく各国と肩を並べることになりますが、保育サービス等のいわゆる現物支給は、依然各国のレベルにまだ遠く及びません。
働き方の問題も含め、こどもを産み育てやすい社会を作るためには、さらなる取り組みが不可欠で、私もそれを加速していくつもりです。

また、人口減少社会における私たちの目指す「成長戦略」をお示し致しました。
従来の、規模の成長、量的な成長というよりも、質的な成長、つまり、幸福度を高めていく人のためいのちのための成長戦略です。
この成長を誘発するのは「環境・エネルギー」「医療・介護・健康」であり、農林水産業・中小企業などの「地域に根差した経済」に他ならないと思っています。
だからこそ、低炭素社会実現への取り組み、診療報酬の10年ぶりのアップ、介護基盤の強化、農家の戸別所得補償、そして、小規模企業共済法改正や倒産防止共済法等の中小企業対策に政府与党一丸となって取り組んでいるところです。

今私たちは、大きな転換の緒に就いたばかりです。
これからの日本を形作る中長期的な視点の制度設計に向け、それぞれにすでに議論が始まりました。
来年度予算が成立したのちには、すぐ、新しく就任した枝野行政刷新大臣のもと事業仕訳をさらに進め、複数年度を視野に入れた中期財政フレームの策定などに取り組むことも決まっています。

何卒、ご理解を賜り後押ししていただけると幸いです。

しかし、一方で、ご承知のように「政治と金」の問題で予算審議がうまく進んでいないこと、残念で、民主党の議員の一人としてこのような事態になっていることを申し訳なく思います。
しかし、周知のことと思いますが、小沢幹事長は、古い政治システム、まさに、政官業の癒着の構造から脱却して真の民主主義を根づかせるために自民党を飛び出し、政権交代を可能とする日本の政治改革を進めてきた第1人者であることは間違いないと思っています。
「政治と金」に嫌気しているみなさんも多いこととは存じますし政治不信が広がっていることも大変申し訳なく思いますが、小沢幹事長をめぐる政治資金規正法違反の裁判の行方を見守りたいと思いますし、もし新たな局面があるとすれば、政治家としてご本人が判断をするものとそう思っております。

何卒、来年度の予算の早期成立のため、また人のいのちを守る政治、未来にかけがえのない地球を引き継いでいくためにも、私に、そして民主党に、お力をお貸しくださいますようお願いを申し上げます。


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