郡和子のコラム

2010年05月29日(土)

正念場

「怒」のプラカードの中で、苦渋の選択をせざるを得なかった鳩山内閣。
政権パートナーの社民党の福島大臣の罷免につながったことも残念でなりません。
この事態を受けさらに鳩山内閣、民主党に対し厳しい世論になるのは避けられないでしょう。

しかし、基地の島沖縄の問題を、そして日米関係・安全保障問題を、どのように日本に住まう一人ひとりとして考えるか、この数カ月、鳩山総理なりに皆さんに問題提起し努力いただいたことは間違いありません。

沖縄のためにと言いながら「アメリカ」「選挙」に力点がおかれていたのではなかったかとの批判もありますが、すでに「決着済み」として普天間問題を沖縄に皆さんに押し付けて国民的な議論の俎上にすらあげなかった政権とは違うことを、私は、とても大きな意味を持つものと思っています。
つまり、これも政権交代の確実な成果だろうということです。

発言の結果責任は問われるでしょう。
確かに、大きな期待を沖縄のみなさんに抱かせ、結果的にそれに応えることができなかったのですから、総理の会見でのお詫びは当然のことだったと思います。
しかし、国民のみなさんに「日米同盟は必要だが、安保の負担は自分のところでは負いたくない」という意識があるかぎり、この問題の解決は難しいのであって、その意味では、総理だけの結果責任ではないのではないかとも思えるのです。

今後もアメリカとは丁寧な議論を重ねることが重要です。
オバマ大統領が新たに27日発表した国家安保戦略で、ブッシュ政権が打ち出した先制攻撃論を一転させ「武力行使の前にあらゆる手段を尽くす」国際協調を重視する姿勢を明確にしたわけで、その中での米軍基地の持つ意味を、腹を割って両政府に議論を続けていってほしいと思います。

終盤国会では、重要法案の成立に向け与野党の攻防も激しさを増しています。
参議院選挙を控え会期延長はしないことが決まっており、限られた時間の中で、何を成立させ何を諦めるか、厳しい判断を迫られています。
いよいよ政府も与党としても正念場を迎えます。

最後に、これまで旧政権下で出来なかったことを確実に進めている、たとえば、政策議論の公開・開放、事業仕訳や長年の課題である戦後補償への取り組み、等々、この流れを戻してはならない、その強い信念で力を振り絞っていく覚悟です。


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