郡和子のコラム

2010年06月20日(日)

通常国会を終え~改めて「政権交代」の価値を問いたい~

政権交代後の通常国会を終えました。

教育や福祉、医療など、「人へ投資する予算」へと一部予算の組み替えが実現できたのは画期的なことだったと思います。
しかし、「政治とカネ」「発言の重み」等の問題で皆さまの大きな期待に応えきれず、鳩山総理が辞任、菅新総理にバトンが渡され、今国会で成立した法案は結局55%程にとどまりました。申し訳ないことだと思います。

この間、私たちが掲げた「政治主導」の国家統治のあり方も、また、政府と党との関係も、政策立案の仕組みも、反省すべきところが少なくありませんでした。その反省の上に立って、新内閣が、そして、党内の新組織もスタートしたところです。

まず、普通の家庭で育ち、市民運動から政界入りし、小さな政党から地道に活動を続けてきた菅さんが総理になった意味は、とても大きいものがあると私は思っています。
普通の人々の代表としてリーダーシップを発揮し、「市民の力」民力を結集して「元気な日本を復活させる」のは、菅さんでなければできないのではないか、と。

菅総理は所信表明で「最小不幸社会」を目指すと話されました。
そのためには、雇用の創出と公正な分配のために経済の立て直しが必要です。
では、その方法は?
田中角栄流の大型公共工事依存型「第1の道」では、いらないものまで作られしかもランニングコストは未来永劫莫大にかかって財政赤字が膨らむだけですし、小泉純一郎流市場原理主義路線「第2の道」では、地域も人々も分断化・階級化して貧困の固定化にもつながりかねない。
そこで、「第3の道」です。
今後成長させるべき分野、医療や介護、環境、観光などで、20年までに123兆円の新規市場を創出して、新たに約500万人の雇用を生み出したい。雇用を生み出すことで、また、この分野の新産業を育成することで、経済も財政も社会保障もともに強くするという発想です。
この発想は自民党政権下では決して出てこなかったものだと思います。

機密文書の公開も、高校の授業料無償化もこども手当も父子家庭への児童扶養手当の給付も、また、水俣病やシベリア抑留問題の補償も、さらには、しょうがいしゃ自立支援法廃止へ向けた当事者の会議も後期高齢者医療制度廃止に向けた会議も、やはり、政権交代がなければ実現していなかったことでしょう。

今後はさらに、事業仕分けでの事業見直し、天下りの根絶、特別会計の見直しなど、税金の無駄使いの徹底的な見直しとともに、国会議員定数の削減にも取り組んでまいります。

ところで、与野党の立場を変えて臨んだ通常国会は、私自身もなれないところもあったと思います。
例えば、質問する機会が極端に少なくなったこと。与党の時間割の少なさに加え一回生を優先、質問に立った回数は極端に少なくなりました。
しかし、その分、政府との政策の調整や、委員会運営に係るさまざまな調整など、かなりの時間を費やすことになりました。良い経験になったと思います。
そして、菅さんが代表選挙で公約した通り、党内の議員の政策立案に携わり政府に提言する「民主党政策調査会」が復活し、私も副会長に就任いたしました。
調整の仕事がさらに増えそうです。

通常国会を終え、いよいよ、民主党政権への皆さまからの信頼を取り戻すという大きな宿題を背負い、菅新総理への信を問う、参議院選挙に臨みます。
投開票日は7月11日。
県連代表の安住淳党選対委員長を先頭に、私も県連の幹事長・選対委員長として皆さまのご理解をいただけるよう力を尽くしてまいります。
「政権交代」の価値を、そしてその意味を、もう一度皆さまにお考えいただきたいと思います。


2010年06月05日(土)

菅総理のもとで 

めまぐるしい一週間が終わりました。

突然の鳩山総理の辞任表明から新代表選出、そして、首班指名。
新しく菅総理・代表のもと民主党は再スタートすることになりました。

この間しばし国会が停止することになったのはお詫びをしなくてはなりませんが、ご理解をいただきたいと思います。

鳩山前総理の思いがなかなか国民のみなさんに伝わらなかったことが残念でもあります。
辞任を表明した2日の両院議員総会での演説を中継でご覧になった皆さんは、マスコミが企図したのかは別として、この間駄目な印象を増幅させていったが、はたしてそうだったのか…、いろいろ感じられたのではないでしょうか。
総理を支える、また、情報発信の力が弱かったことが大きかったと、この間のことを反省したものです。
しかし、鳩山・小沢の「政治とカネ」の問題は、自民党的体質と、皆さんに映ったことは間違いがないのでしょう。
そういう意味では、重い判断をし、民主党の結党以来の理念を実現するために後を託されたのだと思います。

表紙を変えて政権のたらいまわしをするな、そう言ってきたのは、私たち民主党でした。
何故か。
官僚任せ、政治家が責任放棄したままの、しかも、国民の皆さんの思いとはかけ離れたところで、疑似政権交代を繰り返すことを許さない、そんな思いでした。

去年の政権交代では、官僚主導政治からの脱却と、一期4年の改革のスケジュールを示し、その政策転換の新しい種を播き、芽ぶきが始まったところです。
日本で初めて国民のみなさんの手で作ってくださった国家権力である新しい政権、そのことをだれよりも痛感しているのは私たちです。

菅総理を短命に終わらせるわけにはいきません。

ルソーの社会契約論で、政治体の形態について「民主制は、人民全体が主権者であると同時に行政官であるような形態」と言っていますが、私たちの重点政策でもある「新しい公共」も、この考えに類似するものだと思っています。
それには、国民のみなさんにも、日本の社会を構成する一員として、公益的利益と個人的利益について如何にあるべきか、思いを馳せていただきたいとも思います。

今週初めには組閣、党内人事も決定します。
菅総理を先頭に、皆さんが主役の、参加し監視し作っていく政治・行政の流れをさらに進めるために、頑張ります。
どうか、諦めないでください。皆さんとともに作る未来形の政治を遂行させるために再出発をさせていただきます。
ご理解ご支援をよろしくお願い申し上げます。


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