郡和子のコラム

2010年08月29日(日)

民主党代表選へ

8年ぶりの党員サポーターを含めた代表選挙がおこなわれることが確実となりました。
告示は9月1日ですが、菅総理と小沢前幹事長の戦いになりそうです。

予定されている代表選挙とはいえ、野党時代と違って政権党の代表選びは即総理大臣を選ぶことにつながる訳ですから、何とも複雑な思いです。

政権交代から一年。
皆さんの大きな期待を受けて誕生した民主党政権。
「政治とカネ」の問題で鳩山総理が小沢幹事長とともに辞任したのは三か月前、そして菅さんを新しい代表として選び総理指名、そして迎えた七月の参議院選挙、結果は厳しいものでしたが、あの三か月前の鳩山さん小沢さんの決断は何だったのか…。

参院選の結果責任をないとは言いません、そして、ねじれ国会での難しい国会運営ももちろん承知しますが、だからこそ、この間の政権運営を反省し政策を磨きなおして党内結束することが重要だと思っていました。
それが、皆様方から頂いた期待の応える近道だと。

これまでの小沢幹事長室、国対主導で、少なからずお金の流れ人事や政策などの物事が決まるようなあり方に対して党内の不満もあり、挙党体制で透明化を図ろう、人事をやろう、政調会も復活させよう、と、この間進んできたことも忘れてはならないと思っています。

2009年マニフェストの実行率にしても決して悪くはありません。
もちろん、財源のねん出問題も含め、思い通りにいかないこともあるのは現実で、だからこそ、みんなで悩みながら調査検証しながら、微修正をかけ来年度予算編成に向けた努力をしているところです。

あくまで理想をかかげ戦う野党と現実直視の与党。

政権交代からこの間、理想と現実のはざまでその距離をどう縮めていくか腐心する新米与党としての責任を実感する毎日でした。

これまでの市場経済原理主義ではなく、ひとりひとりが大切にされ安心して暮らせる社会保障を充実させた成熟した社会をめざす民主党根幹の政策理念、その理想に近づけるため現実の壁を少しずつ切り崩していく作業、また、官僚任せではなく政治主導にかえる作業の緒についたばかりで試行錯誤が続く中、今回、代表選挙が行われることになったわけで…。

代表選の予定は予定、何もなければすぐにでもまとまるのでしょうから政治空白など作らずとも済みます。
しかし、参院選の結果責任はだれがどう取るのかを絡め、今回のような国民の皆さんにはわかりにくいような構図、つまり、小沢前幹事長の政治手腕を、この局面で、こういう形で発揮していただくのが本当にいいのか?総理を変えるのか?という、率直な疑問に、私自身は答えにくい、いや、私自身が驚いているともいえるのですが。

しかし、それならそれで、国民の皆様方へ民主党政権としてご期待いただけるようどんな国の形を目指すのかを徹底的に論戦して示す良い機会ととらえ、党員サポーターの皆様方はじめ、国民の皆様方へご理解をいただくしかない、とそう思っています。

いずれにしろ、新しい政治が定着するまでの混乱期を国民の皆様方とともに出口に向け歩んでいく、この変遷期を国民の皆様とともに乗り切って行きたい、その先の新しい日本のために。
偽らざるところ、苦しい気持ちを抱えてですが、お力添えご理解をいただきますことをお願い申し上げます。


2010年08月07日(土)

混迷の中で

去年の8月、皆さまの熱い思い、やるせない思いが一票に託され、歴史的な政権交代が達成されました。
その一票一票にかけられた願いに、私たち民主党は応えきれなかったのか…、参議院選挙での結果を受けて、自問し、また皆さまと議論する中、短いねじれの臨時国会が閉幕、代表選挙を迎えることになります。

臨時国会は、社会保険病院等を管轄する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構RFOを2年間延長する法改正と参議院選挙で初当選した議員の歳費、旅費・手当等を自主返納する法改正を与野党協議の中で行い、衆参予算委員会を開催して6日に幕を閉じました。
9月の本格的な臨時国会を前に、党内では代表選に向けた勉強会やグループの動きも活発になっていますが、菅代表の他どなたが代表候補として立候補するのか、あるいはしないのか、固まってはいません。

国民の皆さんの「一票一票で政治を変えた」のは、幻想だったのか。
政治を、皆さんの願いの行方を、安定的な政権運営にではなく「混迷」の渦の中に投げ出す結果になったのは、一体どこに理由があったのか…。

この間も、来年度予算編成の概算要求を取りまとめる作業を進めていますが、各省庁に対して、あるいは幹事長室に対して、自治体、企業、各種団体から、連日の「陳情・要望」が後を絶ちません。多少形は変わっても、かつてもよく目にした光景です。
それらの「陳情・要望」はそれぞれ利害関係を持つものが当然あるわけで、政権交代後、最初からの予算組にはじめて取り組む(昨年は麻生政権下での概算要求をいわば受け継ぎながら組み替えた予算でした。)私たちが前へ進むために担保されるのは、一般市民・国民の利益がどこにあるかを見極める強い「政治の目」だろうと思っています。
「政治の目」言い換えれば「政治主導」、その強い政治主導は、強い市民国民の存在で初めて実現するものですが、しかし、その市民国民の皆さまの思いもまた「混迷」しているように見え、疑心暗鬼に陥ってしまいます。

予算はつけたら終わり、それがどのように現実に使われ、どのような効果があったのか、未来にどう役立つのか、これらの検証は、これまで十分ではありませんでした。
ここにこそ大きな問題があったわけで、これが巨額の財政赤字を作ったといっても過言ではないと思っています。
だからこそ、私たちは「変える」という強い思いでおり、政権交代の意義は大きいのですが、残念ながら、そのシステム作りがまだ道半ば、もう少しの時間が必要です。

短命内閣、政党の弱体化ともいえる新党の乱立、マスメディアの巨大権力化、地域コミュニティの崩壊、貧困・格差の増大、失業問題などなど、今の日本の状況を直視し、改めて今優先的に何をなすべきか、悩みながら考えています。


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