郡和子のコラム

2010年08月07日(土)

混迷の中で

去年の8月、皆さまの熱い思い、やるせない思いが一票に託され、歴史的な政権交代が達成されました。
その一票一票にかけられた願いに、私たち民主党は応えきれなかったのか…、参議院選挙での結果を受けて、自問し、また皆さまと議論する中、短いねじれの臨時国会が閉幕、代表選挙を迎えることになります。

臨時国会は、社会保険病院等を管轄する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構RFOを2年間延長する法改正と参議院選挙で初当選した議員の歳費、旅費・手当等を自主返納する法改正を与野党協議の中で行い、衆参予算委員会を開催して6日に幕を閉じました。
9月の本格的な臨時国会を前に、党内では代表選に向けた勉強会やグループの動きも活発になっていますが、菅代表の他どなたが代表候補として立候補するのか、あるいはしないのか、固まってはいません。

国民の皆さんの「一票一票で政治を変えた」のは、幻想だったのか。
政治を、皆さんの願いの行方を、安定的な政権運営にではなく「混迷」の渦の中に投げ出す結果になったのは、一体どこに理由があったのか…。

この間も、来年度予算編成の概算要求を取りまとめる作業を進めていますが、各省庁に対して、あるいは幹事長室に対して、自治体、企業、各種団体から、連日の「陳情・要望」が後を絶ちません。多少形は変わっても、かつてもよく目にした光景です。
それらの「陳情・要望」はそれぞれ利害関係を持つものが当然あるわけで、政権交代後、最初からの予算組にはじめて取り組む(昨年は麻生政権下での概算要求をいわば受け継ぎながら組み替えた予算でした。)私たちが前へ進むために担保されるのは、一般市民・国民の利益がどこにあるかを見極める強い「政治の目」だろうと思っています。
「政治の目」言い換えれば「政治主導」、その強い政治主導は、強い市民国民の存在で初めて実現するものですが、しかし、その市民国民の皆さまの思いもまた「混迷」しているように見え、疑心暗鬼に陥ってしまいます。

予算はつけたら終わり、それがどのように現実に使われ、どのような効果があったのか、未来にどう役立つのか、これらの検証は、これまで十分ではありませんでした。
ここにこそ大きな問題があったわけで、これが巨額の財政赤字を作ったといっても過言ではないと思っています。
だからこそ、私たちは「変える」という強い思いでおり、政権交代の意義は大きいのですが、残念ながら、そのシステム作りがまだ道半ば、もう少しの時間が必要です。

短命内閣、政党の弱体化ともいえる新党の乱立、マスメディアの巨大権力化、地域コミュニティの崩壊、貧困・格差の増大、失業問題などなど、今の日本の状況を直視し、改めて今優先的に何をなすべきか、悩みながら考えています。


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