郡和子のコラム

2010年11月13日(土)

年金確保支援法

寒さが加わっていました。
体調を崩されている方も多くなってきています。インフルエンザの流行期も迎えますので、皆さん、体調管理に気をつけて頂きたいと思います。

さて、今日は、年金のお話しをさせていただきます。

現在65歳以上の高齢者で無年金の方はどのぐらいいると思われるでしょう?
厚生労働省の推計によると、90万人。将来にわたってずーっと無年金のままです。
(中には公的年金制度に加入していなくとも、暮らしを賄えるというお金持ちの高齢者もいるのかもしれませんが)

また、現在、国民年金に加入しておらず将来無年金になるという人は推計で192万人。
それから国民年金に加入していても保険料が払えず25年の受給資格を得られないで無年金になってしまう恐れのある人は、推計172万人。
加えて、国民年金の保険料を免除されている人で国庫負担分、およそ2万円ほどですが、しか受給できない人も推計で358万人います。
つまり、現在、そして将来、無年金や低年金の方々はおよそ800万人を超える、ということです。

一方、現在年金を受給している高齢者の方々を詳しく見て行くと、国民年金の受給者数は1327万5000人で、平均年金額はおよそ4万5000円程度。
厚生年金の受給者は769万8000人で平均受給額は17万円、共済年金受給者は247万2000人で平均受給額は21万9000円です。
しかし、いずれも平均より低い人が6割いて、とりわけ女性の年金は男性の半分ほどとなっています。

年金の格差、そして、貧困。

私たち民主党は年金制度の抜本改革を掲げ、一元的な年金制度を作り、最低補償年金を税で賄うことを約束していますが、新しい制度への移行には長い時間を要します。

そこで、当面、将来の無年金・低年金の発生を防止し、高齢期になった皆さんの所得の確保をより一層支援する観点で、国民年金保険料の納付可能期間を延長することや、企業型確定拠出年金の加入資格年齢の引上げや加入者の掛金拠出を可能とするなどの措置を行う「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案」(年金確保支援法案)を、先の通常国会に提出し速やかな成立を目指していたのですが、残念ながら法案の審議には至らずにこの臨時国会を迎えたわけです。

与野党ねじれ状況の中ですが、ようやく11月12日、衆議院の厚生労働委員会でこの「年金確保支援法案」の趣旨説明が行われ、審議が始まることになりました。
本当に待ち望んでいたことです。

法案の内容は、国民年金については、
①国民年金保険料の納付可能期間を2年から10年に延長し、本人の希望により保険料を納付することで、その後の年金受給につなげることができるようにすること。
②第3号被保険者期間に重複する第2号被保険者期間が新たに判明し年金記録が訂正された場合に、それに引き続く第3号被保険者期間を未届期間とする取扱いを改め、保険料納付済期間のままとして取り扱い、年金を支給する。
③国民年金の任意加入者(加入期間を増やすために60歳~65歳までの間に任意加入した人)について国民年金基金への加入を可能とし、受給額の充実を図る。
というもので、これによって無年金や低年金の方々に、少しでも多く、今よりましな年金を手にしていただきたいと思います。

大きな税と社会保障をどうするかの議論はありますが、まずは、出来るところから、と、ご理解ください。

この年金の支援法の成立に、ぜひ、皆さまのご支援、後押しをお願いいたします。


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