郡和子のコラム

2011年12月29日(木)

特別な年の瀬に 

特別な年となった2011年が暮れようとしています。
改めて、東日本大震災で犠牲になられた方々、被災された皆さまに、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。

私も、内閣府大臣政務官、東日本復興対策本部宮城現地本部長に就任以降、国の防災基本計画の修正へ取り組み、また、宮城県・被災市町村・関係団体等の皆さまとの意見交換や現地視察を数多く重ね、予算や、復興特区、復興交付金制度の創設等、復興へ向けた政策に全力で取り組んで参りました。

地域の創意工夫を活かした復興を推進するための新たな枠組みとして、まちづくり・住宅・産業等に関する規制や手続の特例措置、また、大胆な税・財政・金融上の支援措置、さらに、復興に必要なハードやソフトの各種施策を展開できる自由度の高い復興交付金制度を盛り込んだ特区法は、この26日に施行されています。すでに、各自治体から早期に取り組んでいただける事業についてアンケートを取らせていただきましたが、今後自治体の皆さまと協力連携しながら1月中には正式な事業の交付申請を受け付け、早いところから交付金をお渡しできるよう準備を進めております。

また、縦割りの府省の枠組みを超え、被災自治体の要望にワンストップできめ細かく対応する復興庁の設置も決まりました。2月上旬の設置を目指し、最終的な詰めの作業を行っているところです。
被災3県には復興局を、3県の沿岸被災地2か所に支所を設けますが、宮城でも現地本部から局になる体制を整えるべくこの間、各府省庁から人材を出していただき増員を図りました。

被災された企業の皆さま方には、グループを組んでいただいた上で再建に取り組んでいただこうと設けた補助金を、特に被害の大きかった気仙沼、石巻の企業の方々を中心に、年末までに新たに1200億円余りお配りいたしました。この補助金は24年度予算にも計上しております。
地元の企業が元気を取り戻して復興を牽引出来るよう、私もなお力を尽くす所存です。

未曽有の災害で、あまりにも多くのものを失ってしまいましたが、だからこそ、学んだこと気付かされたこともございました。皆さまの復興に取り組む力強さも実感させていただき、私自身も励まされました。
また、東日本大震災の被災地に多くのご支援をいただきました日本中の、世界中の皆さまに、改めての感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
復興の希望の光に向かって、私も皆さまとともに引き続き全力で前を向き進んで参りたいと思います。
寒さが一段と厳しくなりますが、お体をご自愛くださって新しい年をお迎えください。


2011年12月03日(土)

3次補正予算の成立で

仙台市の光のページェントが始まりました。
津波で流された電球に変わり、表参道や秋田県大館市などの団体の皆さんが電球を貸してくださったそうで、特別の師走をむかえた仙台の街にあったかい希望の光が灯されました。感謝と感動でいっぱいです。

さて、本格的な復興へ向けた3次補正予算の成立を受け、これまでの「生活再建ハンドブック」、「事業再建ハンドブック」を改定し、vol4を制作しました。
被災した皆様の生活再建や事業再建にお役立ていたけるよう政策メニューとその予算を分かりやすく解説しています。 ぜひご活用ください。
仮設住宅などへの配布を行いますが、東日本大震災復興対策本部のホームページからもダウンロードできるようになっています。
今回の改定では、私の事務所で事業者の方々などから寄せられたご意見も反映させていただき、より使いやすいように致しました。
皆さんの生活や事業の再建にあたって、あったかい希望の光を届けられたらと思います。

一方、NPO団体の自立的な活動を後押しするため、被災した人たちへの支援拠点の整備に、また支援活動そのものに、復興に向けた特色ある教育支援の取組に、さらには女性や障害の方等を雇用するモデル事業、医療・介護等のサービスを地域で連携して機能させるためのモデル事業などを行って頂くための予算も付けました。
NPOの皆さんのお力もお貸しいただきこれらの予算の執行率を高め着実にぬくもりのある復興を実現していきたいと思います。

今年ほど「つながる」ことの重要性を実感したことはなかったかもしれません。
サン・テグジュペリの「星の王子様」じゃないけれど、人との関係こそが喜び、そんな局面を何度となく経験しました。
長い復興への道のり、「つながる」をつなげる、支えあえるところで支えあっていく環境を作ることもまた政治の役目と心得ます。

頑張ります。


2011年12月01日(木)

閑話… 

警察官の息子を持つ友人がいます。
その友人から、先日、息子さんのことを聞かせていただきました。
3,11あの日、すぐに救助活動に参加、ご遺体の捜索活動も長く続いたということです。
勤務地は特に犠牲になった方が多い宮城県沿岸部でした。
友人は精神面での疲労も心配で「大丈夫?」と聞くと、彼は「飯が食いたいと思えるようになったから大丈夫だよ」とあっさり答えたといいます。
今、その彼は波に流されてしまったかつての交番に代わる「仮設交番」で元気に勤務しています。結婚も間近かも、と友人は話していました。

ところで、あの東日本大震災を克明に描く本が随分沢山出版され書店に並んでいます。私も移動中にそのうちの何冊かを買い込んでは読ませていただいています。

直近で読んだのは、震災直後から被災地の取材を行い遺体安置所から見た人間像をテーマにしたノンフィクション作家石井光太氏の「遺体~震災、津波の果てに」(新潮社)で、上記の友人の息子さんの厳しい経験談を十分過ぎるほど鮮明にするものでした。
次々直面する顔見知りのご遺体に立ちすくみながら、立ち止まることも許されなかった遺体安置所の状況のルポルタージュで、この悲劇の教訓をしっかり受け止め、支えた人々に学ばなければならないと強く思いました。
著者の石井さんは、11月にこの本を出版してから精力的に講演活動を行っているそうで、私もお話をお聞きしたいものだと思っています。

また、地元河北新報社の「河北新報のいちばん長い日」(文芸春秋社)。サーバーが倒壊、さらに販売網がズタズタになる中、肉親を喪いながら取材を続ける記者、避難所に新聞を届けた販売店員、「被災者に寄り添う」をモットーに読者のための紙面づくりに一丸となって取り組んだ様子が分ります。最後にありのまま綴られている現場の記者さんたちの葛藤、私も考えさせられました。

あの大震災で被災した人は、きっと誰もが壮絶な時間を過ごし、今もその壮絶な時間の延長上に迷いながらも生きているのだろうなと、皆さんに話を聞くにつけ、震災関連の本を読むにつけ、思ったりします。また同時に、それぞれの人に、繊細でいて逞しくもある「生きる力」を感じたりもしています。

大丈夫、乗り越えられる。
復興へ向けた準備も整いつつあります。
3次補正と復興財源法は成立しました。終盤国会、残りの復興法案の成立に全力で取り組みます。


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