郡和子のコラム

2012年06月24日(日)

2012・6・26 

通常国会の会期が9月8日まで延長となりました。
まだ特例公債の予算関連法案も成立前で、他にも、一日も早い成立をお願いする法案が少なくありません。

今月6月20日の夜に、社会保障と税の一体改革関連法案の民主・自民・公明の3党修正合意に基づく2法案「社会保障制度改革推進法案」「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が衆議院に提出され、21日から特別委員会で審議を行っています。
少子高齢化・生産年齢人口の減少に対応し、安定した財源を確保しつつ、社会保障の受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度の確立を図ることを目的に消費税のアップをお願いする法律案です。
25日には総理も出席して審議を行い、26日にも衆議院本会議で採決を行う予定です。

この採決をめぐって、民主党は結党以来の厳しい状況になっています。
政権交代から3年、政治が落ち着かないことで政治不信や嫌気が広がる、その悪循環に陥っているのではないか…、恥ずかしいし、申し訳なく思います。
復興を進める上で政治の混乱は許されません。
政局より復興・政策をと、多くの民主党議員が思っているはずなのですが…。
この間の社会保障と税の一体改革について、昨年末からの党内議論がまとまった上で閣議決定をし、しかしねじれ国会の中での法案を通すぎりぎりの調整を、野党との間でしていただいたこと、私は評価をしています。

採決の日の6月26日「6,26」が歴史にどう刻まれることになるでしょうか。

一体改革・消費税増税について、今回は、ちょっと長くなりますが書かせていただきます。

なぜ今増税なのだ、増税の前に、政治家や官僚が身を切るべきではないか、という意見をお持ちの方々へ。

まず、議員定数削減ですが、「1票の格差」の緊急是正・衆議院議員の定数削減などを盛り込んだ公選法・区画審設置法の一部改正法案を衆議院に提出しました。1日も早く成立させるよう努力します。

また、国会議員の歳費についてですが、2年間で540万円を削減する法律を成立させ減額をいたしました。

国家公務員の総人件費の削減については、自公政権の時と比べ、すでに去年2251億円を減らし、今国会での「平均約7.8%の給与削減法」の成立で、さらに年間で約2900億円を削減致しました。

役所の事務・事業の見直しも進めてきました。
独立行政法人の事務事業の徹底的な見直しを行い、不要資産を約2兆円を国庫に納付した他、国からの財政支出を自公政権時代と比べ約3000億円削減、更に、独立行政法人役員の公務員OBの天下り数を自公政権時代と比較して76%も減らしました。
現在102ある独立行政法人を65法人に縮減する予定です。
「母屋でおかゆ、離れですき焼き」と言われた特別会計も、17会計から11会計に削減し一般会計化。
公開の場で役所の仕事をチェックする事業仕分けは、大きな評価をいただきましたが、予算の中身がほとんど決まった時期の査定には修正作業も限界があることから、予算要求前に、役所自ら仕事を点検してムダを省く「行政事業レビュー」を行っています。
平成23年度予算の概算要求時には約1.3兆円を、24年度も約4500億円を見直しました。
来年度予算に向け、実は、今月11日、私の担当の消費者庁で4つの事業についての公開事業レビューを行い2つの廃止を決めたところです。

あまりマスコミ等で伝えては頂けませんが、改革の努力と成果はありました。
(政権交代前に無駄の削減で出てくると言った16.8兆円は、実際、無理だったわけですが。)

頑張っているのはわかったけれど、増税法案を「今」採決すべきでない、とのご意見もあるでしょう。

消費税は逆進性が強い税制ですから低所得者に対して配慮が必要であることはいうまでもありません。被災地への配慮も考えなければならないでしょう。
また景気が悪い時期に消費税を引き上げるとさらに景気が悪くなる、との指摘もあります。
これについては、特に、ニューエネルギー分野、医療介護教育分野での成長を促します。
復興が先頭となって経済の立て直し、成長につなげていくことが重要だと思ってもいます。

年間30兆円近い社会保障予算を賄うために、さまざま他の予算を削り、その上大きな借金で賄っている状況をいつまで続けるのか。
先送りしていくことのリスクの方が大きい。
苦しい判断ですが、年々巨大に膨らんでいく借金を見て見ないふりする政治から抜け出すこと、持続可能な社会保障財源を確保していくこと、このことは社会的に弱い立場の人にとって実は最も必要なことではないでしょうか。

野田総理の不退転の覚悟で臨むという決意、政府の一員として支えてまいります。
ご理解をいただきますようお願いを申しあげます。


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