郡和子のコラム

2012年07月01日(日)

国際社会が注目している

7月に入りました。

衆議院での消費税関連法案の採決で残念ながら民主党からの造反者が出ました。梅雨空の様に、視界は良くありません。

日本の債務残高は約1000兆円と、対国内総生産(GDP)比で200%に達し、先進国の中で最悪の状況です。
増税が先送りされ借金への依存がさらに強まれば、日本財政への信認が失われ、国債の売り圧力が高まって0.8%台という異例の低水準が続く長期金利はたちまち急騰するリスクが生じ、日本の財政は破綻に近づいてしまいます。
与党の造反があったものの衆議院で賛成多数で可決したことは、国際社会への日本の重要なメッセージでもありました。
増税のリスクと増税しないことのリスクを考えれば、辛いお願いではありますが、もうこれ以上先送りはできない…。

社会保障に手をつけず増税だけ決めた、というのは、必ずしも正しくはありません。
低年金の問題に踏み込んでいること、子育て支援施策でも前進させたこと、国民の命を守る政治、暮らしのための政治という観点はしっかり盛り込まれていること、100点満点ではありませんが、調整をし妥協点を見出し前進させたものです。

有権者の皆様方から「期待を裏切られた」とのお話をお聞きします。
民主党という政党のガバナンスの問題、未熟さが招いたこと、と、深く反省を致します。
しかし、その上で、2009年の政権交代があったからこそ、公立高校の無償化で退学者が少なくなったこと、こども手当が名前は児童手当に戻ったものの中学生まで支給できるようになり子育て世代の支援拡充を図ったこと、ひも付き補助金から地方が自由に使える一括交付金を増額したこと、等々、約束は一定程度実現させ効果を生みました。
そして、前号のコラムで書いたように、行政改革での努力の結果も出てきているところです。

この一体改革だけではありません。
最重要・最優先の課題は、震災からの復興、原発との戦い、日本経済の再生だと、野田内閣発足時、総理も話されました。
私自身も、ふるさとの復興を第一に取り組んでいるところです。

そのひとつとして、被災地で世界会議を開催し成功させる。
実は、「世界防災閣僚会議in東北」を、7月3日と4日に、宮城を主な会場に開催、準備を進めてきました。
世界防災閣僚会議は、大規模自然災害の経験や教訓を国際社会で共有し、強靭な社会の構築に向け、防災に関する主なテーマについて議論を行う国際会議で、今回は、約100の国や地域・国際機関の300人が宮城においでいただきます。
野田総理、玄葉外務大臣、中川防災担当大臣、平野復興大臣、そして私も担当政務官として出席することになっています。
海外の多くの皆様方にご支援をいただいたことへの感謝を申し上げ、復旧復興状況をご視察いただいた上で、東日本大震災の教訓を強く世界に発信していきたいと思います。

国難から逃げる政治ではなく国難に立ち向かう政治、決断し実行する政治は、社会保障と税の一体改革だけではありません。災害対策も、エネルギー問題も、すべて延長線上に並ぶもので、日本の政治を国際社会が注目していることを忘れてはならないでしょう。


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