郡和子のコラム

2012年08月10日(金)

復興庁、復興局発足から半年

社会保障・税一体改革関連法が成立しました。
09年の総選挙でマニフェストには示していなかったことです。総理も会見で述べておられましたが、皆さまに対して申し訳ないとまずお詫びし、その上で、将来へのつけを放置せず安心できる社会保障を構築するためにもご理解をいただきたいと、改めてお願いをする次第です。
被災地域で消費税増税が復興の妨げになることがないよう、特別な配慮も考えねばなりません。
経済の再生、政治改革、行政改革、それらに、包括的に強力に取り組んで行くつもりです。

さて、連日のこの暑さです。狭い仮設住宅でご不自由な生活を続けている皆さんにとって、厳しい環境だろうと、申し訳なく思います。
体調を崩しておられませんでしょうか。
仙台市が、この9月から、仮設住宅に1人で暮らす高齢者や重度障害の方らの日常生活をサポートするため、携帯電話やセンサーを活用した無料の24時間見守り事業に乗り出すことになったそうです。仮設住宅での生活が長く続く中で、この事業が始まることに期待を寄せています。

ところで、復興庁が発足し、この10日で半年になりました。

日経新聞が「復興庁発足半年」と題し、「当初は縦割り行政の弊害が指摘されていたが、最近は複数の省庁を横断する窓口として機能し始めている…」と書いていました。
また私も、地元の河北新報のインタビューに応え、行財政改革が必要とされる中で人員を確保し、現場に出向き、自治体の皆さんの思いを受け止め対応に当たっている旨をお話させていただきました。

私が心がけていること、復興庁・復興局が心がけていることは、復興の主体はあくまで地元であり、現場で状況をよく見て聞いて、復興を進めること、です。
霞が関の各省庁の理論ではなく、「被災現場代表の役所」として、それぞれの地域で、やる気が出てくる、希望を持ってもらえる事業を支え、推し進めること。
連日「現場主義」で被災地域を駆け回っています。

今月5日には、岩沼市で防災集団移転事業の先陣を切って宅地造成工事の着工式が行われました。
8日には、三陸自動車道の利府中-松島海岸インターチェンジ間の利府町春日地区で、春日パーキングエリアが開業、またこの区間の4車線化の供用も始まり、完成式が行われました。
復興事業は計画の段階から実施の段階に移ってきています。

日本の歴史の中でも、これだけ広範囲にしかも同時に公共事業を進めていかねばならないということは、これまで例のないことです。
そこで、新たに復興JV制度の創設や、UR(都市再生機構)との連携、発注業務支援として建設業界の方々の力もお借りしてコンストラクション・マネージメント(CM)方式を活用するモデル事業を実施するなど、事業が少しでも速やかに進むよう支援策の知恵を絞り続けています。

復興は、インフラや住宅の復旧再生ばかりでなく、各種サービスの再開や働く場を確保することも欠かせません。
民間の方々、企業や団体など多様な担い手の皆さんとの連携も重要で、復興庁・復興局には、企業連携室やNPO連携班を作り、共に公共の担い手として活躍いただける環境整備、課題の掘り起こしにも努めているところです。

でも、まだまだ。
復興を達成するには長い時間が必要です。
復興庁も復興局も、これからさらに大きな役割を果たさなければなりません。

ところで、「近いうち」をめぐってさまざま憶測が出ていますが、東日本大震災からの復興と福島の再生は、国を挙げての一大事業、日本内外の英知を集めて乗り越えて行かねばならない一大事業です。
例えどのようなことがあろうとも、私自身がどのような立場になろうとも、この大仕事を、皆さんと一緒に成し遂げるまで、頑張ってまいります。


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