郡和子のコラム

2013年10月27日(日)

臨時国会 徹底議論致します

まず、はじめに、大島など、台風26号で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、行方不明の方々が一刻でも早く見つかりますようお祈りいたします。また、被害にあわれた皆さまにお見舞いを申し上げます。

日本は自然災害の多い国で、今後も南海トラフや首都直下型地震などの大規模自然災害の蓋然性が高まる中、私自身も今後もさらに災害対策や被災地支援に取り組んでまいる所存です。

 

さて、臨時国会が始まりました。 衆参の予算委員会も終わり、各委員会での本格的な論戦に移ります。私は法務委員会、震災復興特別委員会、消費者問題特別委員会に所属が決まり、今週から質問に立つ予定です。

 

また、この度、私は党の女性委員長を拝命し活動を始めています。

今年3月、IPU(列国議会同盟)が発表した世界の国会の女性議員比率(二院制をとっているところでは下院)が、世界の平均値は20・3%とはじめて2割を超えたとのことです。しかし日本は7・9%に減り、ランキングは190カ国中163位にまで落ちてしまいました。

国会だけではありません。

私が復興大臣政務官として携わった東日本大震災の避難・救援・復旧活動を通じて、わが国の防災対策に女性の視点が欠けていることを再認識させられました。政府が「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度に」という目標を掲げてから10年が経過しました。しかし、政治、行政、経済を始め多くの分野で、政策・方針決定過程への女性の参画が進んでいません。

2010年12月に民主党政権下で閣議決定した「第3次男女共同参画基本計画」には性別に関するクオータ制の強力な推進が明記されましたが、なお大きな宿題として残っています。女性委員長としてもクオータ制の推進に本腰を入れなければならないと決意しているところです。

 

ところで、安倍総理は「女性が輝く社会を創り上げること。これこそが私の成長戦略です。」と所信表明で述べられました。確かに、世界で類を見ない雇用のM字カーブを解消し女性たちが活躍しやすい社会を作ること、性別にかかわりなく個性や能力が発揮できる社会づくりのために「ワーク・ライフ・バランス」(家庭的責任をもつ男女労働者の両立支援)を推進し、「ディーセント・ワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)を実現することは、少子高齢・人口減少期を迎えた日本にとって不可欠で重要な政策です。

しかし、総理が提唱する「育休3年」は現実的ではなく、逆に職場から女性を締め出すことにつながるのではないかと懸念しています。育休自体を取れず、いわゆるマタニティハラスメントで仕事を辞める女性は少なくありません。また、先ごろ、政府の審議会等の委員も務める著名な女性作家が、男性向け週刊誌で「子どもができたら会社を辞めなさい。産休は会社にとって迷惑千万、女性の再就職を支援する制度を作ればいい。」との見解を披瀝、これに同調する声があることにも驚きを禁じ得ませんでした。

歴史の針を巻き戻すかのような論調が出てくるようでは日本のジェンダーランキングは下落する一方ではないでしょうか。

 

最高裁判決を生かす民法の婚外子相続差別規定の改正、国連女子差別撤廃委員会が指摘する民法の女子差別規定の見直し、雇用機会均等法やパート労働法の改正、また、男女平等と平和・安全保障との関係に焦点をあてた国連安保理決議1325号の国内計画づくりなど課題は山積しています。

 

更に、この国会での議論を注目していただきたいのですが、東電の原発事故の汚染水漏れ問題と合わせ損害賠償請求権の消滅時効問題。先の通常国会の時効中断特例法の審議の中で、私も質問に立ち、和解仲介手続に申し立てをしていない場合には時効が中断せず新たな立法の必要性があることを指摘しました。来年3月になると時効が来て、多くの方々が請求権を失ってしまいます。このままで良いわけがありません。

また、政府が今国会で成立を目指すという「秘密保護法」。

秘密の範囲もあいまいで、憲法との関係、知る権利やプライバシーとの関係など、問題の多い内容です。

意図的でなくても「特定秘密」を「漏えい」させてしまえば「懲役刑」に問われます。しかし、何が「特定秘密」にあたるのかもわかりません。官僚たちもこれでは委縮し、私たち国会議員やメディアに対しての情報提供も著しく減少してしまいかねません。法案にたとえ「知る権利」を明記したとしても、情報を提供する側に「自主規制」が働くのは明らかです。

私たちは「情報公開法の改正案」を衆院に提出しましたが、アメリカなど多くの国は、国の情報はすべて国民の財産だという考え方で情報公開を進めています。だからこそ、歴史も検証されるのです。

重要な公的情報を適正に保管するための「公文書管理法」の改正も重要であり、これらをないがしろにして「秘密保護法」を成立させるようなことがあれば、それこそ、「いつか来た道」、取り戻すのはあの時代か!ということだと思います。

 

徹底議論致します。

 

 


2013年10月10日(木)

安保理決議1325号を真に生かす

先の国連総会の基調演説で、安倍総理は、紛争地域での女性に対する性犯罪を防ぎ、女性の人権のため努力するとして、政府開発援助(ODA)の拡大を表明しその額は30億ドルを超えると表明しました。女性の人権について話された演説の細かい内容を確認するため、早速その原稿を役所から取り寄せ、じっくりと読ませてもらいました。

国際社会を主導する一員となるための日本としての貢献が4点。
1、UNウィメンの活動を尊重し有力貢献国として誇りある存在になる。
2、女性・平和・安全保障に関する「行動計画」を草の根で働く人々と協力し作成する。
3、紛争下の性的暴力の防止、被害者の物心両面での支援。
4、自然災害で女性に配慮する決議を次回国連婦人の地位委員会に再度提出する。とありました。なかなか心強い内容だったと思います。

しかし、この演説は、日本軍による慰安婦の問題に全く触れずに女性の人権とは・・・と批判され、今月11日~16日に女性の地位向上をテーマに開かれる国連会議で、改めて日本政府に対して慰安婦問題の法的責任を認めるよう決議が出される見通しです。また、1000兆円を超える莫大な国家債務を抱える日本が沈没しないようにと国際社会が注視している中、大盤振る舞いのバラマキを約束したと、残念ながら、総理の演説に対し会場から賞賛の(お付き合いでも)拍手は全く起こらなかったといいます。

ところで皆さんは国連安保理決議1325号をご存知でしょうか?総理の今回紹介した演説の2つ目に「行動計画」とあるのは、この1325号決議に定められた国別の行動計画のことです。2000年10月末に安保理で採択されました。ご存知の方はあまりいらっしゃらないと思います。

「武力紛争に関わるあらゆる関係者に、ジェンダーに基づく暴力、特にレイプその他の形態の性的虐待、また武力紛争下におけるその他のあらゆる形態の暴力から、女性や少女を保護する特別な方策をとることを求める。
すべての国家は、ジェノサイド、人道に対する罪、女性・少女に対する性暴力を含む戦争犯罪の責任者への不処罰を断ち切り、訴追する責任があることを強調する。またこれらの犯罪を恩赦規定から除外する必要性を強調する。」など18の項目で、男女平等と平和・安全保障との本質的な関係に焦点をあてた決議と言われています。

そして、何より重要なのは、国内・地域・国際組織および機関のあらゆる意思決定レベルにおいて女性の参画を促していることです。

加盟国全てに拘束力を持っており、これまで42カ国が国別行動計画を策定しました。しかし日本はまだ策定しておらず、安倍総理は今年中に草の根で働く人々との協力により取りまとめると表明したわけです。

しかしこの流れは安倍政権になって力が入ったわけではなくて、実は、民主党政権下でも準備を進めてきたものです。

2010年秋には、当時の政務官がこの決議に基づき日本の取り組みを伝える演説をニューヨークで行っています。

ご紹介すれば、PKOや平和構築の分野で女性の視点を活かす取り組みとして、たとえば、アフリカで行われたPKO要員の研修に女性自衛官を派遣したこと、将来の国軍要員となることを期待される東ティモール人女性を防衛大学校で受け入れていること、また、コンゴ共和国では、平和構築のための警察民主化支援の一環として、多数の女性警察官の研修を実施していること。平和構築人材育成事業で55人の女性を専門家として育て現場で活躍していることなど。

何を申し上げたいかというと、政権交代、私たちの政権があって、今の政権が取り組んでいる、やらねばならないことは引き継がれ取り組まれているということです。下準備をし進めてきたことでいよいよ結実に向けてのステージになっていて、それが安倍さんのもとへ転がり込んでいるのが少なくなく、忸怩たる思いです。

しかも、私たちの政権だったら、しっかり押さえるはずの、例えばこの件でいえば、過去の問題について安倍総理の演説にはなかった事を言及もできたであろうと、残念に思ったのでした。

さて、最後に前向きに。女性が戦争や紛争の犠牲者だというだけでなく、女性だからこその視点を紛争解決、そして復興に生かすことが、これからの国際平和に大きな力になると、私自身も信じます。

国連決議1325号を真に生かす行動計画づくりに協力し、よりよいものにするために発言して行きたいと思います。


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