郡和子のコラム
2015年08月09日(日)
戦後70年の節目の夏。被爆国の誓い、非戦の誓い
戦後70年の節目の夏を迎えました。
今年の夏は、とりわけ平和や民主主義について考え、深く心に刻み、そして未来へつないでいく決意をする8月になっているのではないでしょうか。
改めて、先の大戦で犠牲になられた皆さまのご冥福をお祈りするとともに、過ちは繰り返さない、その決意を述べさせていただきます。
まず、被爆国日本の誓い。
広島、長崎の原爆被爆者の方々の平均年齢は、今年80歳を超えました。
被爆者の方々の「生きているうちに核兵器廃絶を」という願いは、この間、日本国内と世界の人びとへと届けられています。被爆者の方々は後遺症に苦しみながらも核廃絶へ向けた活動を続けてこられました。しかし、まだ、世界には核兵器1万6000発余りが存在しています。
今年ニューヨークで開催された、5年に一度のNPT再検討会議、核兵器をなくすための保有国と非保有国との話し合いの場では、被爆者の方々も被爆体験を証言するなど懸命な活動を展開下さいましたが、残念ながら決裂してしまいました。
かねてから民主党が提唱してきた「北東アジア非核兵器地帯」の実現は、「核なき世界」に向けた重要なステップであり、日本政府が真剣に取り組むことを求めます。
私も8月6日、広島の平和記念式典に参加してまいりました。被爆者やご遺族、それに海外から過去最多の100カ国の代表の皆さんが参列し、祈りを捧げました。
が、前日5日の参議院で安保法案を審議する特別委員会では、核弾頭を後方支援で運ぶことを法案は禁じてはいないことが明らかになり、広島平和集会では、総理の挨拶から歴代総理が必ず言及していた「非核三原則」の文言が抜け落ち、会場からヤジが飛ぶという異例のものになりました。
世論の動きに抗しきれなくなったのか長崎の平和集会挨拶では、安倍総理は非核三原則に言及しましたが、安保法案では核兵器を運ぶことも禁じておらず、何より与党の中に「日本も核武装もすべき」との意見を持つ議員も存在していて、不安を拭い去ることは出来ません。
そして、平和国家の非戦の誓い。
軍事力による平和の維持を否定した日本国憲法の立場は世界に類のないものです。それは武力でテロを押さえつけようとしてきた米国などにはできないことを可能にするものと私は考えています。だからこそ日本ほど外交において有利な立場にある国はないとも言えるのです。
世界平和を実現するために憲法9条を活用すること。この9条に基づく外交が、日本の安全保障の取るべき第一の柱であることを確認すること。
「戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。
戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。」
これは、京都大学の有志が作った詩の一部です。インターネットに挙げたところ、あっという間に多くの支持が集まったということです。当たり前のことですが、今、改めて確認したい戦争の実相です。
この宮城県内でも、学生さんたちのグループが、安保法案に反対の声を自主的に上げ始めました。心強く思います。
暑い夏、冷めてはならない戦いが続きます。
最後になりますが、2日に行われた仙台市議会議員選挙では、多くの皆さまに民主党候補者に対するご支援をいただき、9人の公認候補者全員の当選を果たすことが出来ました。
太白区では、岡本あき子さんがトップ当選を、新人の沼沢しんやさんも堂々の当選を果たさせていただき、青葉区では、民主会派の加藤健一さんがトップ当選、それに続いて、佐藤わか子さん、村上一彦さんと、3位までを独占、また、女性のための政治スクール受講生だった宮城野区新人の平井みどりさんも初当選させていただき、とても嬉しく思います。
国会は、短いお盆休みを挟みますが、何としても、安保法案の廃案をめざし、力を尽くして参りたいと思います。
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