郡和子のコラム
2016年01月07日(木)
微力だけど無力じゃない 未来に向けともに力を
新しい年を迎えました。
今年の干支は丙申。丙申の年は、戦後二度目です。60年前の丙申の年は、「もはや戦後ではない」と高度経済成長へ突入した時代でした。
あれから60年、日本は人口減少期に入り、成熟社会をどう構築していくのか、それが大きな政治的課題です。
年明け招集された通常国会。さっそく論戦がスタートしました。
安倍政権は「GDP600兆円」や「1億総活躍」などの日本経済の強化策を打ち出していますが、専門家は懐疑的です。私もそう思います。
明治から百年以上、日本は人口の増加とそれに伴う経済成長に支えられ、発展を遂げてきたのですが、そうした時代は終わりました。人口減少社会の身の丈に合った政策転換が求められています。
安倍政権の「一億層活躍社会」は、言わんとしていることは、「誰しもが居場所と出番のある社会」で、それはまさしく私たちが掲げた政策の柱でした。人の成長なしに経済の持続的成長はないと思っています。だからこそ、人に投資し、じっくり人を育てる社会を作ることが、これからの日本にとって重要であると思っているからです。
ところが、安倍政権はどうでしょう。
目先のGDPや株価を上げるため借金を増やし、更には労働者を物扱いし、強者に味方する経済政策を掲げるのでは、その掲げたスローガンに逆行、さらに少子化が進み、日本は格差がさらに拡大して、展望の開けない社会になってしまいます。
消費税の軽減税率については、範囲を外食を除く飲食料品全体に拡大し、そのために1兆円の財源が必要となりました。そして、その1兆円の財源確保のために、自己負担の総合合算制度の導入を見送ることにされました。
医療、介護、保育、障がい者支援など、様々な社会保障制度には、所得に応じてそれぞれ自己負担の上限が設けられています。総合合算制度は、これらの自己負担の総額に上限を設けるもので、所得の少ない人の負担軽減のためになくてはならないものです。
高所得者ほど恩恵を受ける軽減税率のために、なぜこの意義ある制度を断念することにしたのでしょうか。
安倍総理の姿勢も気に入りません。
立憲主義を理解しない言動、また、議論に誠実に答えようとしない強権的な態度、そしてマスコミに対する言論統制ともとれる介入。
残念ながら今の政治は、与党しかいらない、と言わんばかり。しかも、与党の中でも安倍さんに議論の声をあげられない政治です。
60年に一度の丙申の年は、革命・飛躍の年ともいわれます。
今年は、5月に伊勢志摩サミットが開催され、仙台でも財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれ、その先、夏には参議院選挙が行われます。衆議院選挙もあるのではないかと取りざたもされています。忙しい日程で、国会での論戦も満足にできないのではないかと思われます。
でも、皆さんには、しっかり見ていて頂きたいと思うのです。
政党政治を鍛えることを私たち政治家自身も努力しますが、「苛政は虎よりも猛し」、こんな政治では困るとか、そんな税金の使われ方は拒否するという生活者・納税者の率直な気持ち、健全な問題意識を、皆さんが投票行動で表現すれば、よりよい政党政治が育ち、健全な民主主義を手にすることができるでしょう。
今は微力だけれど、無力ではありません。
日本の未来を見すえ、皆さんとともに、今年一年、力を尽くし頑張ってまいります。皆さんとともに力を合わせれば、きっと未来が開けると信じて。
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