郡和子のコラム
2016年03月11日(金)
東日本大震災から5年 新たなスタートに向けて
あの日からちょうど5年を迎えました。
東日本大震災によって、被害の大きかった宮城、岩手、福島を中心に、合わせて1万5894人もの尊い命が犠牲になり、いまだ2561人の方の行方が分かっていません。そしてあの地震・津波・原発事故を生き抜いたものの、その後亡くなったいわゆる震災関連死と言われる方は、1都9県で合計3407人に上りました。2万人を超える命を奪った震災でした。
避難されている方は、当初47万人から17万人に減ったとはいえ、それでも今なお厳しい生活をされている方々が大勢いらっしゃいます。お体大丈夫でしょうか?
改めて亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りし、被災された一人一人の皆さまにお見舞いを申し上げ、政治の場で、それぞれの方々が幸せをつかみ取っていただけるよう最大限の努力を続けてまいります。
1000年に一度と言われる地震・津波災害で、加えて初めて経験をした原発のメルトダウンという事故。
私たちはこの間、大震災発災時に徹底的な現場主義で最前線で対応した経験と知見を踏まえ、被災地の復興を最優先課題として取り組んで参りました。私も、党の復興の責任者として被災各地を回り、復興に向け活動を続けてまいりました。
岩手や宮城では、災害公営住宅や高台移転事業が本格化していますが、未だ完成数は少なく、安心で安全な住宅を一日も早く手に入れて頂けるように、また地域コミュニティや職場を取り戻せるように、全力を傾注して参ります。
昨日、被災地の子どもたちが議員会館内で開かれた集会で意見発表をしてくれました。5年の月日は子どもたちにとって多くのことを学んだ時間でもあったようです。
山田町のゾンタハウスと呼ばれる子ども支援拠点で学習支援などを受け高校生になった皆さんは、この間の支援に感謝の気持ちを表すのは、山田町を元気にすることだと自らが立ち上がり活動を始めました。
南三陸町の中学生だった子どもたちは大学生になり、被災地を知ってもらうツアーを企画し、被災地から遠い若者たちへも、地域、ふるさととは何か、そしてそこで自分たちはどう貢献できるか学んでいました。
私は、あの困難の中から成長した子どもたちの報告に胸が熱くなり不覚にも涙がこぼれました。そしてこの間、被災地を何度も訪れ支援活動を続けてくださっている皆さんに頭が下がりました。
しかし、支援を受け元気になっていくお子さんや大人がいる一方で、支援に繋がらなかったお子さんや大人たちが不安定な生活をされている、この格差もまた、被災地の課題です。
今年度で集中復興期間が切れ、新たに5年の復興創生期間に入りますが、国としての責任を基本に、民主党政権が取り組んだ、前例主義にとらわれない新たに創設した支援策の根幹を維持し、拡充するよう政府に求めて参りたいと思います。
日本中、世界中から多くの方々のご支援を頂いたことを忘れず、教訓を世界に発信するとともに、様々な分野で支え繋がってきた民間の方々、NPOの方々、ボランティアの方々を応援し、活躍の担い手を育成できる環境整備にも力を入れられるよう、働きかけを強めてまいりたいと思います。
福島の再生はまだ困難が続いています。東京電力福島第一原発の廃炉工程の遅れ、止まらない汚染水流出、風評被害。生活環境の安全安心、住い周辺の里山・奥山の再生にも着実に取り組んでいかねばならないでしょう。
指定廃棄物の処理や中間貯蔵施設の建設整備もなかなか前へ進んでいません。地域住民の皆さまと誠意をもって丁寧に話し合うという国の姿勢が、残念ながら所管大臣らにあまりにも欠落しているのではないか…。残念でなりません。
未曽有の被害をもたらした3,11から5年を迎え、改めて現場主義に徹して被災された皆さまに寄り添い、ふるさとの復旧復興の為に進んで参ります。
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