郡和子のコラム

2016年08月15日(月)

71回目の終戦の日にあたり

71回目の終戦の日を迎えました。

あの戦争で犠牲になられたすべての方々に心からの哀悼の誠を捧げ、改めて、平和への願いを決意を、新たにしています。

多くの人間の命を奪った無謀な戦争、侵略、その重い教訓と深い反省に基づき、戦後の日本は、憲法の平和主義のもと、豊かな民主主義国家をつくり上げてきました。

終戦の日の全国戦没者追悼式での天皇陛下は、今年も、先の大戦に対する「深い反省」と述べられました。

ところで今日の日経新聞には、「軍民両用研究 揺れる科学者」との見出しで、政府が進める軍事用にも民生用にも使用できる「デュアルユース技術」の後押しに対し、科学者の方々が賛否で割れているとの記事が掲載されていました。

「軍事目的の科学研究はしない」とこれまで70年貫いてきた日本学術会議の方針が大きく揺らぎ、研究資金の不足に悩む大学からは多数の応募があり、この動きを受けて、大学の軍事研究に反対する署名運動も起きているということを紹介した記事です。

昨年、新安保法制が押し切られる形で成立し、海外の紛争に武力をもって介入しないという憲法の平和主義の根幹は大きく変わりました。更に安倍政権が目指しているのは、集団的自衛権を制約なく行使し、普通に海外で武力行使できる国です。そして、軍事研究を進め武器の輸出も加速させたいのでしょう。

武器は防衛装備と名前を変えました。防衛のための装備と言葉が変わっても武器は武器です。

これまで日本は、基本的に武器の輸出や国際共同開発をほぼ認めず、必要があれば、そのたびに例外規定を設けて運用するとしてきましたが、防衛装備移転三原則として、武器の輸出入を基本的に認め、その上で禁止する場合の内容や、厳格な審査を規定することに大原則が転換されたことも、みなさんご存知でしょう。

私は、先の大戦の教訓と反省、憲法の平和主義の理念に基づき、武力行使に抑制的な国であることが基本であると考えます。

武器の輸出も軍事研究もなし崩しに進められ、集団的自衛権の行使も認めることになったのですから、日本はこれまでとまるで違う国になろうとしているのです。

終戦の日、今一度、みなさんにも考えていただきたいと思います。

日本はどのようにあるべきか。平和への貢献とは何か。

憲法の根幹である平和主義を基軸とし、外交・安全保障政策を展開し、アジア諸国との和解を進めていけるように全力をつくすことを、私は改めてここに誓います。


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