郡和子のコラム

2017年01月01日(日)

酉年新年を迎え

新年あけましておめでとうございます。

この一年が皆様にとってよりよい年になることを心からお祈りいたします。

今年は酉年です。ニワトリは日の出前に第一声を発します。明るい暖かな太陽の日差しを迎える一声です。

私も声を大きくして、今年が明るく暖かい社会になるよう努力する年にしたいと思います。

 

「代議制民主主義とは議会多数派が国民全体を拘束するルールを決める仕組みである。しかし、多数を全体の意思とみなすのはあくまで擬制である。一時の民意に支持された為政者が暴走し、個人の尊厳や自由をないがしろにすることのないよう、様々な歯止めを組み込んでいるのが立憲デモクラシーである。それは、民主主義の進展の中で、民衆の支持の名の下で独裁や圧政が行われたという失敗の経験を経て人間が獲得した政治の基本原理である。」

これは、憲法学者や政治学者、経済学者らが、2014年に立ち上げた「立憲デモクラシーの会」の設立趣旨です。

その学者の皆さんが、昨年末こんなコメントを発表しました。

「議会政治の劣化と解散問題に関する見解」です。

その中では

「残念ながら、現在の政府・与党の振る舞いには、多様な利害、多様な見解を統合して、将来にわたる国民の利益を実現しようとする態度は見受けられない。それを装おうとする努力さえない。」

更に

「数の力によって特定の党派、特定の見解を無理やりに実現しようとする現在の政府・与党の態度の背景には、与党によって有利な時機を選んで衆議院総選挙を施行する、長年にわたる政治慣行も控えている。この政治慣行は、その一つの帰結として、解散風を吹かせることで与党内部を引き締めるとともに、野党に脅しをかける力を政府に与えることにもなる。」

と手厳しい指摘をした上で、議院内閣制の下、行政の長に自由な解散権が必ず付与される訳ではなく、議院内閣制の母と言われるイギリスでさえもすでに解散権はなくなっていることを紹介しています。

私自身も強く感じるのは、国会が自ら「言論の府」を否定するような流れが止まらない事です。そして、解散という風が吹く度に、本来の立法作業が影響を受けるというジレンマ。

 

ところで、アメリカの保護政策を明確に打ち出すトランプ氏が間もなく大統領に就任します。世界経済はどのように動くでしょう。

ナショナリズムが世界で台頭する流れは止めることが出来るのでしょうか。

あちこちで格差と分断とが進んで、自分中心の価値観でしか物事を見られない程余裕を無くしている人々が増えることを懸念します。

 

当たり前ですが、人は助け合わなければ生きていけないし、生きとし生けるものに生かされていることを見つめ、それぞれの存在価値を、お互いの考えを認めたうえで、協調と和合を進める、そのために太陽の暖かさを隅々まで届けるような政治が今こそ必要なのだと、そう思っています。

この一年、どうぞよろしくお願いいたします。


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