郡和子のコラム

2010年11月23日(火)

元の木阿弥にはならぬように

世論調査に民主党への厳しい数字が並びます。
その要因は様々あることを私自身認識しながらですが、改めて、皆さま方に、民主党政権が生まれたからこそ出来たことをお話しさせていただきます。

事業仕分け。

宮城2区の斎藤やすのり衆議院議員も加わって行われた行政刷新会議の「再仕分け」が終わりました。

財源捻出効果が期待ほど上がらず、仕分けの「不要」あるいは「限界」、また、昨年廃止と決定したものが「ゾンビ」のように蘇っている、など、政府と与党内との調整が不足している、身内で身内を批判する構図はいかがなものか、との批判もマスコミから流れていました。

しかし、私は、政権交代以前の自民党時代のように、ベールに包まれたままの不透明な予算編成に戻すことを皆さんが望んでいらっしゃるのですかと問いたいと思います。

チェックと透明化の仕組みはこれまでもさまざまあったはずです。

例えば、国会の中でも、「決算行政監視委員会」があり、ここが評価の議論の場でもあったはずですが、これまで長い間、そう機能してこなかったのはないでしょうか。
なぜでしょう?
政府と自民党、官僚とのもたれあいの中で、この委員会は、おざなり、お茶を濁してきたにすぎませんでした。
政権交代後、この決算行政監視委員会の役割を強化するとした私たちの思いは、まだ残念がら達成していません。今回の再仕訳前に、それぞれ予算や決算・特別会計ごと調査を行って、問題を洗い出す作業をし、それをこの委員会に反映させるべく準備を進めていたのですが、通常国会では、日程上議論の場を作れないまま閉じざるを得なかった背景もありました。
しかし、今回の再仕分けにそれら調査も生きたことは間違いありません。

やり方には工夫も必要でしょう。
必ずしも、これまでと同じような方法でなくともいいのです。
しかし、予算編成の視える化、決算評価の視える化、たとえ私たちが当初見積もった財源捻出効果が低くてもこれを続けて行くことは、国会と行政とに緊張感を作り、これまでにない国作りに直結すると思っています。

政務三役が役所に取り込まれているとの見方は、必ずしも正しいとは思いませんが、しかし、政務に入った三役が所管する行政すべてを掌握するには限界があり、一番詳しいはずの官僚自身が緊張感と気概を持って、「省益」ではなく「国益」を考えられるよう誘導できる官僚の評価制度も必要になってくると思います。

そして人への投資。

私たちは「コンクリートから人へ」を掲げ、今年度からこども手当、高校授業料の無償化を実現しました。
日本はご承知のように人口減少社会を迎えました。経済のパイも縮小せざるを得ません。これからの日本を世界の中で生き抜くより強い国家にするためには、人を育てることが何より重要になることは、皆さんもご理解いただけると思います。
経済を活性化させるにもその第一の資源は「人」です。
だからこそ、こどもを産み育てやすい社会を作りそれぞれのこどもたちの持てる能力を生かす教育を阻害しない仕組みを作る。また、人を大切にし、だれしもが出番と居場所のある社会を作る。
その大転換を果たしたのです。

旧政権下で国民的人気を誇った小泉元首相が就任間に、この国の借金を莫大に増やしたのは皮肉です。
にっちもさっちも行かなくなったその後の首相たち、考えてみれば、だからこそ、昨年の政権交代があったのかもしれません。

厳しい財政状況を見ながら、人々が大切にされる政治、菅総理が言うところの「最小不幸社会」実現に向け、大きく舵を切り進みだしているのが、今の民主党です。

明治維新も黒船来航から実に三十年以上かかって国の形が整えられました。
急ぎ結果を求める皆さまの気持ちもわからないではありませんが、元の木阿弥では良いわけがない、と、そう思っています。


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