郡和子のコラム

2016年12月18日(日)

多数決 数の力をありありと見せつけられた国会

臨時国会が閉会しました。

TPP,年金、そしてカジノ、いずれも強行採決でした。

 

議席で圧倒的多数を与党に握られている以上、それが強行であろうがなかろうが、国会に出された法案は、いずれ成立させられてしまいます。

だからこそ、巨大与党には、野党からの充分な議論に応じ、丁寧なやり取りが求められ、また、広く他の意見を聞き入れる姿勢を持つべきなのですが、残念ながら、ろくに意見もきかず、判断の下となる必要な情報も出さず、強行採決の連発でした。

 

議席数、圧倒的な数の壁を作り、数々の閣僚をはじめとした放言、暴言も、何事もなかったかのように責任も取らずじまいです。

 

安倍総理は、この国会で「何時間審議しても同じ」と答弁しました。

国会の存在意義は、最終的な多数決だけでなく、議論を通じて、主権者である国民の皆さんに争点を伝えるという大切な機能を持っています。

しかし、安倍政権の姿勢は「由らしむべし、知らしむべからず」。

 

最後は、議員立法である賭博を経済政策の柱にするIR法案を成立させるためだけの国会会期延長でした。

 

改めて思います。

市民の皆さんとのつながりを強固にし、与党をゆさぶるような力を持たなければいけないということを。

衆議院の解散総選挙は、安倍総理が日ロ首脳会談を終えた後テレビ番組に出演し一月の解散について問われ「考えていない」と語ったことから、来秋以降へ遠のいたと報じられました。

 

が、このまま、国会を、官邸の下請け機関、私物化することを長引かせては、決して良くなりません。来年の通常国会には「共謀罪」はじめ大きな法案が提出予定です。

 

緊張感を持った国会の議論の場を作るために、来年の通常国会までの間、地元の皆さんの声を聞かせて頂きます。


2016年12月04日(日)

鹿を指して馬と成す 

秦の始皇帝が亡くなった後、悪臣の趙高が自分の権勢を試そうと二世皇帝に「鹿」を献上し、それを「馬」だと押し通します。

みんな趙高を恐れていたので、押し黙ったり「馬です」と媚へつらう者、中には鹿だと言う者もいたのですが、鹿だと言った者は処刑されてしまいます。

そしてその後は、臣下たちは皆、趙高を恐れ、反対をしなくなった・・・。

理にかなわないことを無理に押し通す。

間違いを間違いと分かっていながら正さない。

私は、今の安倍政権のことを、この故事に重ね合わせてしまいます。

カジノ法案は、「暴速」での採決でした。審議時間は5時間半。

議員立法で提出されたこの法案の大きな問題点は、ギャンブル依存症の問題もそうですが、刑法賭博罪の違法性阻却事由について全く不明だということです。

更に、この法案の審議に際しては、①担当の国家公安委員長は必ず出席、②関係のある法務大臣や厚労大臣など必要に応じて出席を求め審議すること、③参考人質疑を行うこと、④公聴会を開催する等としていた与野党の合意にもかかわらず、今回、安倍官邸からの強引な要請で、この合意が守られないまま自民党が強硬に審議に入り強行採決をも許してしまいました。

数で圧倒的に負けている少数野党が、この状況に抗う手段は極ごく限られてしまいます。

「鹿を指して馬と成す」。

誰も違うと言えなくなっている与党議員、あるいは「ゆ党」と自分で呼ぶ安倍総理の応援議員、都合の悪い真実には蓋をしたまま、国会を官邸の下請け機関に貶め、それで良しとしていることに、私は大きな怒りを持ちます。

この数だけの論理、日本の未来に暗澹たる思いです。


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