郡和子のコラム

2006年12月16日(土)

白紙委任したのでしょうか?

教育基本法が書き換えられることになりました。
なぜ「今」?なぜ「公」重視?疑問は何一つ明らかにならないうちに、数の力で押し切られてしまいました。
とても悔しく残念でなりません。

衆議院では中央公聴会で慎重・反対意見が続出したその日に強行採決、参議院では、与野党の合意がないまま審議が打ち切られ採決が強行されました。
皆さんもご承知のように、タウンミーティングで「やらせ」「サクラ」による世論誘導が行われ、19億9000万円もの血税が浪費されていた実態が明らかになっています。総理が給与を100万円あまり返納するとのことですが、その血税の穴埋めには500年かかる計算になるといいます。

「個」よりも「公」を重視する教育の危うさは、過去の歴史を振り返れば、「お国のために…」と暗い影をさす恐ろしさを感じずにはいられません。加えて、この先に、憲法改正が待っているのですから…。
本来、教育基本法は憲法と不可分一体のもので、憲法の改正があってこそ初めて改正される、というもののはずですが、その議論も全くなされませんでした。

安倍内閣は「いざなぎ景気」を超える好景気だとキャンペーンを行っていますが、消費は一向に上向きません。一般家庭の所得は減り続け負担が増やされるというダブルパンチに襲われています。
また、格差の拡大は「再チャレンジ」との言葉が空虚に聞こえるほどこの国に貧困層を増加させました。
その上、生活保護基準の見直しなど憲法の定める私たち一人ひとりの「生きる権利」さえも脅かし始めています。

皆さんは、昨年のあの「郵政選挙」ですべてを白紙委任されたのでしょうか?
そうではないはずです。

今国会では、貸金業法やしょうがい者自立支援法、また、難病対策医療費の政府負担では、民主党が与党を戒めリードした部分もありましたが、圧倒的な数の違いは「権力の暴走」に歯止めをかけるにはあまりにも力不足です。
たとえ、市民の皆さんが大きな世論を作ってくださっても、です。

本当にこれでいいのでしょうか?

荀子の言葉に「水は舟を浮かべ、また舟を覆す」というのがあります。
水は有権者、舟は政権。
いい政権を担ぎ、駄目な政権をひっくり返せる力を持つのは、そう、有権者の皆さん一人ひとりです。
それを忘れないで下さい。

来年の参議院選挙での与野党逆転を、そして生活者の立場に立った政治を実現するための政権交代へ向け、大きなうねりを作らなければならないと、そう感じる国会最終盤です。


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