郡和子のコラム

2013年07月16日(火)

政治に緊張感を 今一度民主党を

皆さんの将来を左右する重要政策に、与党は争点化を避けようとしているように見受けられます。
そのせいか、参議院選挙への関心が、昨年の総選挙より薄いとの報道も目にします。
政権選択の選挙ではないにしても、私の肌感覚でも今一つ盛り上がりに欠けるのではないかとの印象で、残念です。

関心が高くならない理由は、政治への不信もある。
それを招いたのが私たち政治家と深く反省をしなければいけないと思っています。
今朝(7月16日)の朝日新聞の社会面の特集で、「政治家は責任を取らない。いっそ官僚に任せた方が無駄がなくていい」との男性の声も掲載されていて、そこまでか…と、情けなくもなりました。
政局に明け暮れるのではなく、未来に責任を持つしっかりとした政治を進めることを、政治家全員が心に誓わねばなりません。
現在の最大与党が「棄権党」になってしまいかねない事態を招いていることを真摯に受け止め、反省と危機感を持って訴えたいと思います。

今回の参議院選挙は、憲法の問題も、エネルギー政策の問題も、社会保障の問題も、国民の皆さんの生活に影響するいくつもの重要な政策があるにもかかわらず、景気への期待・願望のバブルだけで、低投票率の中信任される様相です。だとしたら…。

私は、安倍さんの経済政策についてのリスクもこれまで書いてきました。
戦後のいざなぎ景気は、三丁目の夕日の時代、労働人口が増え続ける時代でした。
しかし、今、日本はかつて経験のない人口減少・労働人口の急激な減少・超高齢社会を迎えているのです。
「日本を取り戻す」とおっしゃっている安倍さんの取り戻す時代とは、いったいいつを設定していらっしゃるのでしょうか?
アベノミクスの財政出動は、経済が低迷しているときには財政でテコ入れするという伝統的なスタイルにすぎません。しかも公共工事を大盤振る舞いする手法です。
先祖返りとも言えるでしょう。

公共事業は経済的な効果が薄いことを安倍政権もご存じのことではなかったでしょうか。

私は、『人への投資』が重要で、個人に対して直接的にお金が回るようなスタイルでなければ、世界に先駆け急激に進む人口減少社会での経済成長は達成できないと思っています。
この『人への投資』は、新しい産業への投資も含まれていると理解していただきたいと思います。
すなわち、社会保障でもある医療や介護、そして教育、研究分野、子育て、農業や漁業、再生可能エネルギーの分野も、未来へ向けた人に寄り添う投資です。

更に『ねじれの解消』が政治を動かすと声高に訴えている与党のみなさん。

確かにそうでしょう。どんどん進められていくかもしれません。
でもそれが国民の皆さんにとって幸せにつながるのか、です。
今与党が考えていることが生活者にとって本当に良い政策なのかどうか…。
まさに「衣の下に鎧が見えている」といった状態で、憲法改悪、雇用規制の改革、ホワイトカラーエグゼンプション(サービス残業の合法化)、労働市場の自由化(会社都合による首切りの自由化)など、多くの生活者にとっては歓迎すべきではない制度を作ろうとしていることを容認されるのでしょうか。

緊張感を持った政治のために一票の権利を行使していただきたいと思います。
政権をとった野党は民主党だけです。
体たらくと受け止められるところもあるかと思いますが、堅実に実績も上げたつもりです。
その経験があるからこそ、自民党の皆さんは、厄介で、何が何でも民主党を潰したいのかもしれません。
でもここで私たちが巨大与党にしっかり対峙していかねば、皆さんの将来が白紙委任になって、危うい政策もどんどん進み、その責任と付けは、結局国民の皆さんに返っていくことになります。
それで良いはずはない。
そのことを残りの選挙期間、強く訴えてまいります。

政治に緊張感を。


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